宇宙の膨張が発見されたことで
時間をさかのぼれば最初の宇宙は全てが集まった超高温の小さな火の玉だったんじゃないか
と考えた学者がいました。
(爆発で宇宙が生まれた、というのとは少しイメージが異なります。宇宙の誕生の理論ではなく宇宙の最初の姿の理論です。)
しかしその当時は宇宙に始まりがあったという考え自体が異端で、高名な学者からもバカにされてたんです。
宇宙が膨張しているからといって、宇宙は永遠不滅だというイメージから抜け出せない時代だったんです。
ドッカーンって感じのとんでもない説、みたいな悪口からビッグバン理論と呼ばれるようになりました。
当初は相手にされていなかった火の玉宇宙論(ビッグバン理論)ですが
もしこの理論どおりなら超高熱の火の玉から膨張して温度が下がっていく過程で光が飛び回れるようになり(宇宙の晴れあがりと言います)
その時の光(電磁波)が宇宙の膨張とともに引き伸ばされて、現在は波長の長い低温の電磁波となって宇宙を飛び交っているはずだという予想が成されました。
そして1960年代に宇宙マイクロ波背景放射として実際に予想通りの電磁波が発見されたんです。
どこか遠くの天体から発せられた電磁波にしては、向きが一定してなくてまんべんなく飛んでいる電磁波でした。
こんな電磁波の存在を端的に説明できるのはビッグバン理論くらいしかなかったんです。
そのため、宇宙は小さな火の玉から始まったとするビッグバン理論が一気に定説に成り上がったわけです。