大至急お願いいたします。コイン100枚 川端康成の掌の小説にある「不死」という作品についてです。 読んだ方の感想、どこが印象的だったのか教えてください。
大至急お願いいたします。コイン100枚 川端康成の掌の小説にある「不死」という作品についてです。 読んだ方の感想、どこが印象的だったのか教えてください。
ベストアンサー
ID非公開さん
2022/6/13 13:11
「不死」は、1963年、川端康成64歳のときの作品。康成さん得意の掌編です。 始まりの一文。 老人と若い娘とが歩いていた。 二人は、六十近くも年が違うように見受けられる。なのに、恋人のように寄り添って歩いている。 なぜか。 娘は、幽霊だったから。 五十五年前、海に身投げして死んだのだ。 自殺の理由は、恋人と無理やり別れさせられたから。 その恋人というのが、いま一緒に歩いている老人で、新太郎という名の彼は、大地主の息子。 きっと身分違いの恋だったのでしょう。「野菊の墓」みたいな。 二人が歩いているのは、海の音が聞こえるゴルフ場。そこは、かつて、新太郎の家が所有していた山林だった。都会に出て失敗を重ね、落ちぶれた老人が売った土地だ。彼は、もう十七年も、そのゴルフ場で玉拾いをしているのだった。 老廃の新太郎の唯一の矜持は、自分のために身を投げてくれた女が一人はあったんだぞ、ということ。 老人は、五十五年ぶりに会った娘に、いっしょに死のう、と誘いかける。 しかし、娘は、いやよ、新太郎さんは、生きて、いつまでも生きて、わたしのために、と言う。 新太郎さんに死なれたら、新太郎さんのようにみさ子を思い出してくれる人は、この世に一人もいなくなるのだもの。 なんとまあ残酷な。自分は若く美しいままの姿で幽霊になって出てきて、落ちぶれてヨボヨボになった恋人に、もっともっと生きろと鞭打つなんて。 結局ふたりは、ゴルフ場に立つ三本の大樹の幹の中に消えて、出てこないのだけれど… 三本の大樹のうしろは、細い木々に夕べの色がただよいはじめ、海の音がする向こうの空はぼうっと薄あかね色だった。 とさ。印象は娘と言えど老いらくの恋でしょうか・・。 名手の手にかかると、老人と娘の短い会話文と、ほんのちょっとの情景描写だけで、こういう話が書けてしまうのですね。 文庫本で五ページの作品。
質問者からのお礼コメント
ありがとうございました!
お礼日時:6/29 0:19