インボイス制度とはなにかわかりやすくお願いします。
インボイス制度とはなにかわかりやすくお願いします。 なぜインボイス廃止を求めているのかも分かりやすくお願いします。
政治、社会問題・7,191閲覧
1人が共感しています
ベストアンサー
インボイス制度が導入されるのは「消費税」という税目なんですね。ですから、消費税の仕組みから、まず簡単に説明すると、 たとえば、ある商品Xは、部品製造業者A ⇒ 組立・加工業者B ⇒ 一般消費者Cという流れで、製造・販売されているとします。 事業者Aは税込み110円で部品をBに販売 事業者Bは税込み220円で商品Xを消費者Cに販売 このとき、生じる消費税なんですが、 事業者Aは「110円の11分の1である10円を税務署に納税」で単純なんですけど、事業者Bは「220円の11分の1である20円」から、「Aより部品を購入する際に負担した消費税額10円」を差し引いた額、つまり20-10=10円を、税務署に納税することになります。 この「差し引く処理」のことを、「仕入税額控除」と呼びます。 まず、ここまでを第一章として理解しておいてください。 次に、消費税を納税する業者はどの範囲なのか?についてです。 実は、日本で事業をしている事業者は、全員が全員消費税を納税する事業者というわけではありません。ざっくり単純に言うと、年間の売上額が1000万円行かない業者なら、消費税を納税しなくてよい業者(=免税事業者)であることを選択できます。逆に1000万円以上になると、強制的に「消費税を納める事業者(=課税事業者)」にならされます。「消費税には、それを納めなくても良い事業者(=免税事業者)が、なかには存在している」ということを理解しておくのが、第二章です。 次は「免税事業者からの仕入にかかわる税額控除」と、いよいよ「インボイス制度の内容」についてです。 第一章で例として挙げた「A ⇒ B ⇒ C」の流れですが、そこでは「AもBも、消費税を納める課税事業者」として説明しましたよね。ところが、「もし、Aが免税事業者だとしたら?」少し、話がややこしくなってきます。「事業者Bは、仕入税額控除していいいのかどうか?」ってことになりますんで。これ、インボイス制度導入前、つまり、これまでは、「仕入先のAが免税事業者か課税事業者かに関係なく、課税事業者のBは仕入税額控除してOK」という決まりだったんですよ。けど、「それだと、全体の消費税が減っちゃうよね」といった理由で、「仕入先Aが免税事業者なら、そこからの仕入れは、事業者Bの側で税額控除を認めない」という方針転換がなされました。そして、それを支えるための制度が、いわゆる「インボイス制度」です。インボイス制度が導入されると、課税事業者にだけ税務署公認の「登録番号」なるものが割り当てられます。で、この登録番号の記載がない請求書や領収書に基づく仕入経費は「税額控除の対象にできない」というのが、インボイス制度の根幹部分になります。「仕入税額控除の対象となるかどうかを判定するために、課税事業者と免税事業者を色分けする制度」と言ってもいいかもしれません。 以上が、第三章になります。 最後に、「インボイス制度が反対される理由」についてです。 これまで述べた通り、インボイス制度が導入されると、免税事業者からの仕入は、従来までと異なり、仕入税額控除の対象から外されます。つまり、ABCの事例で言うと、従来なら「事業者Bは、Aが免税事業者であっても、そこからの仕入れ110円のうち、10円を自分が納める消費税から差し引くことができた=実質100円で仕入れることができていた」わけですが、インボイス制度が導入されると、110円全額を仕入経費としてモロにかぶることになります。そこで、事業者BはAに対して、「部品の値段をその分下げろ」と要求する動機が生まれますよね。インボイス制度に反対しているのは、こういった要求を突き付けられることになりかねない「(免税事業者の)A」の立場にある人たちです。こういった立場にあるひとたちは、零細な事業者も多く、発注元であるBに対しても弱い立場に置かれていることが多いため、インボイス制度自体に反対しているわけです。 以上が、長くなりましたが、インボイス制度についての概説です。
35人がナイス!しています