品質管理の仕事はそういうものですね。
自分が勤めていた鉄鋼の仕事でも品質管理が絡むと異常処置が山積みになること多かったです。
例えばですが単純に直径8ミリの丸棒を長さ50ミリにカットしていく作業があるとして、これが高精度な加工機で1分あたりに1本切っていくなら±0.01ミリ未満の公差を設定して品質管理を行っていくのもいいでしょう。
それを今度は1分間で30本やるとなると加工機も方法も色々変わってきます。
加工スピードが上がれば当然精度は±0.5も厳しくなりバラツキが出て、管理幅から外れる不適合品を客先に流出させないためとやることが必ずと言っていいくらい、管理値を狭める自主基準の設定ですよね。
±0.5が客先が要求する精度なら、いくつかロット検査をしていてその中に+0.5や-0.5があるならバラツキの中で+0.6や-0.6も出てくるかもしれない!
±0.3で管理するんだ!って品質管理は決めたりしますけど…
別に加工機が±0.3をクリアできる何かを加えたわけでもなし、品質管理部門がそれをクリアできるノウハウも持ってないのに管理基準から外れたものを不適合品として扱うことを決めるんですよね。
山ほど不適合品の異常処置待ちは出るでしょうね。客先の基準は満たしてるはずなのに不良品の扱い。かと言って全部捨てることもできない。
元々がなぜ±0.5が設定されているかも考えない安易な管理基準を作るだけで客先流出を防げると品質管理部門が考えているから処置を任せられる側はそんなことになるんですよね。
製造部門も「なら品質管理に任せればいいさ」になります。
この流れを変える時代は早々にやってこないと思います。
なんとかならないかと上司などに相談しても返ってくる言葉は「じゃあ客先に流出させたら責任取れるのか!?」でしょ?
結局、異常か正常かはどこかに境界線が必要なんです。0.5を0.3にしたのは0.2の幅のグレーゾーンを作っただけになります。そのグレーゾーンの中にもここだという境界線か、明確なルールでOKとOUTの分別がつくものを作るしかないんです。それでOUTなら廃棄または修正や再加工する。OKなら流動させる。
面倒ですが個別の判定基準を上司と相談していきそれに沿ってクールに仕事を進めていくのが一番の最善策だと思います。
と、自分の経験談で語ってしまいましたが畑の違う業界で当てはまらない回答だったらゴメンなさいね。