ずっと香川照之は歌舞伎の世界に入りたかったのですが、お父さんが許さなかったのです。 分かりやすく説明すると、香川の母である浜木綿子は香川の父にだまされていたのです。香川の父は浜と結婚する前から藤間紫と男女の関係にあったが、藤間紫はもう子どもを産める歳ではなかったので後継ぎを作るためにも容姿や頭の良い浜木綿子と結婚したと推測できます。イギリス王室と同じですね。チャールズ皇太子はカミラと関係があったにも関わらず後継ぎと国民からの信頼のために若く美しいダイアナと結婚した。 当然、浜は藤間との関係に気づき、“裏切られた”または“利用されていた”などと感じます。そうなると息子を引き取らなければみじめだし悔しいじゃないですか。勿論、歌舞伎界には後継者が必要なこともわかっていますが、利用されたあげく一人息子まで奪われてたまるかというところだったでしょう。 元々男らしい浜は意地でも香川照之を一人前に育てようとひとりで彼を東大卒にまで育て上げたわけです。 だから、浜は香川が父のいる歌舞伎界を志すことには反対だったのです。勿論、父親も意地っ張りですから、二度と敷居はまたがせないという気持ちだったと思います。 しかしもう藤間も亡くなりましたし、何十年と経つわけですし、特に後継者の問題があるので香川の息子を歌舞伎界へ一刻も早く入れる必要もあるからだと思います。分家や外からの後継者が居ても本家には定期的に主演を張る役者が必要ですからね。 香川も母の意地とは別に意地っ張りな父親に認められるために学業も役者としても精進してきたのでしょうね。今はせめて歌舞伎界の血を受け継いでいる息子をこの道に進ませるために立場が低くなることを承知で自分も歌舞伎界に生きることを決意しているのだと思います。 浜木綿子はやはり許したとは言え最後は息子を歌舞伎界に奪われたわけですから悔しいでしょうね。