おっしゃっている内容は、まるで、子育てを終えた専業主婦がその辺のカルチャースクールに行きながら、限定された「自分探しの旅」をしているかのようです。 一般的な総合職の会社員であれば、就職後10年近く立ったら、プロとしての仕事ができないとだんだん転職してもろくな仕事がなくなります。プロになればなるほど、一定以上の水準がなければ能力も認められませんし、さらに大事なことは雇用先に対してどのような付加価値が提供できるのか、という自分の価値を売り込む提案ができなければ、ろくな仕事に就くことはできません。 例えば、TOEICというのは850点以上いとっても、実際のビジネスではまともに英語が話せない人がいるような試験です。 （受験テクニックで点数がかなりカバーできるからです。） 565点では、趣味の範囲にしかなりません。雇用主にとって価値のある英語スキルというのは、海外からの商談の話などについて、電話、FAX、メールなどで正確な商談のサポートができる水準です。 職場は学校ではないので、どこまで伸びるかもわからない人に教育投資をできるのは新卒・第二新卒の間だけです。 ＞事務系の地道にコツコツするような仕事の方が性に合っていると就職後に感じた とおっしゃいますが、それでは、今さら、極端に給料が安い新人のやるようなお茶汲み込みの単純事務労働を小規模事業者のもとで20万円以下の安月給でやっでも、やりがいを感じられますか？ 今は、MS-Office（Word、Excel、Powerpoint）くらいならだれでも自分で操作する時代です。 一定以上の給与を得ようと思ったら、実践的なスキルがなければ通用しません。 例えば、会計が分かる人が会計のサポートをするとか、契約事務が分かり契約書の誤りを指摘できる人が営業のサポートをするとか、銀行の窓口（テラー）であれば事務職扱いでもいろいろなルールに精通し素早くミスなく仕事ができるとか。 8年以上も働けば、みんな単純労働者ではないスキルを持っています。 あなたを雇うことで雇用者が得られる付加価値は、新卒の女性を雇った場合の付加価値よりも、どんな点で大きな価値があって、それは雇用主の事業にいくらの利益を与えるものでしょうか？ そうした提案が自分でできなければ30代近辺やそれ以上の年齢の転職でいい仕事の機会はありませんよ。 ＞職歴のあるCADオペレータ職を探し応募していましたが、熱意がないと思われるのか面接で落とされてしまいました。 熱意だけではないと思います。 転職を成功させるコツは、雇用者が採用したい人材だと思わせることです。 自分が雇用者だったらどんな人材を採用すると、今よりも利益が上がるか、という経営的な目で見たとします。 人材#1 「CADオペレータとしてのスキルには自信があり、自分がこれまで担当していなかった分野でも、短期間でキャッチアップして見せます！」とか言って、周りと協調しながら会社や事務所の生産性を上げるために努力できる、とアピールする人。 人材#2 「CADオペレータとしてのスキルはあるが、これは自分がやりたい仕事かどうか分からない。だんだんほかの分野の仕事で転職と思われるものへシフトしていきたい」とか言って、勉強する機会費用がかかりそうだと、とアピールする人。 どちらを採用したいと思うかは一目瞭然ですよね。 就職活動の間だけでも、ものすごく熱意をもって仕事をしたいと思っていると、見せかけられなければ、そもそも一定以上の所得の仕事は絶対に選べません。 でも「熱意」だけで通るわけではないのです。 どの職場でもすでに回っている業務があります。ここに今まで以上の新たな付加価値を追加することで、一層事業効率が上がると思わせなければ、転職は成功しません。 あなたの付加価値は何ですか？ 機械系の知識を付加価値として役立るのであれば、コアになる知識やスキルが他に必要です。 機械系の知識のある営業、機械系の知識があってエクセルのマクロなども使いこなして取引状況の管理ができる人、機械系の知識があって海外とのビジネスを外国語を用いてサポートできる人などは、簡単に転職できます。 ２つ以上のコア・スキルを組み合わせれば、意外と転職先は簡単に見つかりますよ。 （自分は採用側ですが、そういう人を採っています。） でも、どの会社も１からの教育はあまりしたくないです。 ビジネスセンスをもって、自分からなんでも学んで、仕事で成功してやるとの強いインセンティブを持って、自分でイニシアチブをもって優先順位をつけながら、自分の価値を客観的に正確に評価しかつそれを伸ばせる人。 そんな人を目指せないのであれば、所得の高い転職はあきらめた方がいいです。