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自動車のミッションに詳しい方にお聞きします。 日本ではCVTとDCTのどちらに勝算...

luf********さん

2008/6/701:17:57

自動車のミッションに詳しい方にお聞きします。
日本ではCVTとDCTのどちらに勝算があるのでしょうか?
ベルトCVTは高速ですべりがロスとなり、欧米に比べて
高速走行の少ない日本ではCVTが勝つと思いますが・・・

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ベストアンサーに選ばれた回答

e60********さん

編集あり2008/6/720:26:18

まず単体の伝達効率は,以下のようになります。

MT 95%以上
CVT 低速=85% 高速=75%
AT 低速=80% 高速=90%

DCTは,ツインクラッチの伝達効率がありますので,MTより1~2%程度悪化しますが,CVTよりはるかに優れた伝達効率をしています。

●それぞれのメリット
★CVTのメリット
・エンジンの最適効率点近傍への制御性が優れる
・変速比が中央付近で伝達効率が比較的良い (プーリーが同程度の半径時)
・変速ショックがない

★DCTのメリット
・単体伝達効率が優れる
・全段変速比幅(たとえば1速~6速までの変速比の幅)が大きく取れる

両者に共通するのは,変速時の時間ロスがない(非常に小さい)点です。

●それぞれの欠点
★CVTの欠点
・単体の伝達効率が低い
・変速時,小径側のプーリーで滑りが大きい
・変速比の大きい側および小さい側で,小径プーリー側で滑りが大きい
・全段変速比幅が大きく取れない (4~5程度)
・ベルトのすべり音がある

★DCTの欠点
・サイズが大きくなる
・重量が重くなる(MT比で20kg程度)
・ツインクラッチの引きずり抵抗がある(湿式クラッチの場合)
・ボルグワーナーの特許がある

●総合的にみると
ポイントは,エンジンの最適効率点近傍への制御性について,DCTとCVTの比較です。4速ATであれば,CVTが勝利者です。しかし6速AT(全段変速比幅6以上)なら無段のCVTといえども,勝てる場合と勝てない場合があります。CVTの全段変速比幅が小さいからです。

このことを考えると,6速以上(現在のDCTはすべてそうですが)のDCTであれば,エンジンの最適効率点近傍への制御性については,CVTと同等程度でしょう。そうなれば,伝達効率の差が効いてきます。

つまり高速道路でも渋滞路でもDCTの方が,燃費改善には有利です。

●投資
日本の変速機メーカはCVTに設備投資してしまいました。4速ATよりCVTの方が,コスト,重量,サイズからみて,有利と判断したのでしょう(一部の文献では,4速ATの方が,コスト,重量,サイズは有利という判断もあるが)。

このためDCTに興味があるものの,ここ10年くらいは,CVTが最良という販売戦略をとるものと推定されます。

●スポーツ車にはDCT
スポーツ車には、MTというのが、10年前までの常識でした。これは、通常のATでは、トルコンや遊星ギアや油圧ポンプのロスがあるためです。
しかし10年程度前からMTの操作時間の遅れが加速性能に影響するために、ギアボックスはMTのまま、そのギア操作を自動化したものが考えられてきました(F1の影響もあります)。BMWのSMGやアルファロメオのセレスピードでは、MTより早い操作を実現しています。
しかしMTもATも変速時、ギアを変更する時間がかかります。この時、エンジンのトルクは車輪に伝達されません。このムダ時間を「トルク抜け」とか「トルク切れ」といいます。これを解消したのが、ポルシェのレーシングカー(グループCカーの956や962)に基本的な技術が採用されたDCTです。

●DCTとは
変速機メーカのボルグワーナーが特許を持ち、2002年にVW(フォルクスワーゲン)が採用したのが、DSG(商品名)です。VWが多くの車種に採用したので、DSGという言い方が一般的ですが、技術用語としては、「DCT」と言い方をします。
これは、2組のギア列を持っています。1組目には、第1速、第3速、第5速のギアがあり、最初は、第1速が係合しています。2組目には、第2速、第4速、第6速が用意されていて、最初は、第2速が係合しています。そして、それぞれの組のギア列を選択するために、クラッチがあり、これが2個あるため、「Dual Clutch」と呼ばれます。そして加速する場合、第1組目の第1速から第2組目の第2速へクラッチを切り換えます。もともとギアはそれぞれ係合していたので、変速時間は、クラッチの切り換え時間+αになります。
このクラッチの切り換え時間は、何十ミリセカンドという非常に短い時間(他の機構も動くと200ミリセカンド程度になる)です。

AUDIのSトロニックの説明
http://www.audi.co.jp/audi/jp/jp2/Technology/technology/driv...

DCTの変速時間は、MTより速く、しかもATよりも高い効率をしています。このため、欧州のMTやATはDCTへ変化していくと考えられています(2010年に10%を超え、2015年に20%を超える予測)。日本でも、次期ランサーエボリューションや日産の新型GT-RでDCTが採用されています。

なお気になる燃費ですが、新型DSGに採用される乾式クラッチ(従来は湿式でロスが大きかった)を開発したLuK社によると、MTより6%程度良いようです。理由は、エンジンとの協調制御+変速時ロスの低減です。ただし、最高出力は1~2kW程度低減します(油圧ポンプ動力のため)。もしMTの最高速が200km/hだとすれば、DCTなら196~198km/hになります。

ただし変速操作の速さとエンジン協調制御のおかげで、加速性はMTよりはるかに優れます

ご参考になれば幸いです。

質問した人からのコメント

2008/6/7 21:56:04

降参 詳しい説明、有難うございました。

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