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1945年9月2日のミズーリ号での件。 休戦協定の調印式のはずですが、なぜ降伏文章...

馬謖さん

2017/8/2407:18:11

1945年9月2日のミズーリ号での件。
休戦協定の調印式のはずですが、なぜ降伏文章に挿げ替えられたのですか?
抗議しなかったんですか?なぜそんなものに調印したのですか?売国奴ですか?

あまり詳しくないので、先生教えてください。

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cel********さん

2017/8/2816:25:55

一般論としては、確かに「降伏or講和の意思表示→休戦交渉→休戦協定合意→降伏or講和」というのはありますが、「1945年9月2日に調印すべき文書は本来は休戦協定だった(それが降伏文書に挿げ替えられてしまった)」と考えられたのは何故でしょう?そういう説をどこかで聞かれたのなら、その説の根拠は何でしたか?あるいは、質問者ご自身の「オリジナル」ならば、何故そう思ったのでしょう?

決して「バカにする」意図ではなく、純粋な興味として伺っているものです。宜しければ、補足なり返信なりで教えて頂けるとありがたいです。

さて…

既に他の方も仰られている通り、9月2日に調印される予定だった文書は、ポツダム宣言受諾を決意した時点から降伏文書になる事は決まっていました。シンプルに言えば、ポツダム宣言で無条件降伏を要求され、それを日本が受諾したのだから、(純理論的には“やっぱり降伏するの、やーめた”も可能だが、日本はそうしなかったのだから)、当然にして降伏文書に調印する事になる、それだけです。

ただ、このサイトでも「9月2日までは国際法上降伏は有効ではない」(よって、連合国は9月2日までは攻撃しても良かった)とか、「8月14日のポツダム宣言受諾通告で日本全体がまとめて(国際法上の)降伏をしたのだ」みたいな『珍説』もあったので、長くなりますが、細かくご説明して見ます。

まず、国際法上の降伏について、ネットでご覧いただける国際法学者の本から引用します。慶應義塾大学法学部の教授で、戦後には同学部の学部長にもなった前原光雄の「国際法講義. 下」(金文堂書店・昭和15年)です。↓の国立国会図書館デジタルコレクションでどなたでも読めます。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1266727

で、引用ですが、同書の『第四篇戦争法 第四章交戦国の非敵対関係 第三節降伏規約』に…

引用①
降伏規約は到底勝算の無い軍隊と相手方との間に結ばれるもので、常に地方的な性質のものである。それは降伏規約を締結した部隊に関するものであって、其の部隊を包合する全国軍とは何等の関係をもたないことも当然である。
(P198)

引用②
降服規約の形式については国際法規は存在しない。それ故に、降伏規約は口頭又は文書を以て締結し得るものと解さねばならぬ。(中略)一方に於いて、降伏規約によらず無条件に降伏する場合には、その意思表示として白旗を掲げて抵抗を止めることが行はれる。敵が降伏の意思を表示した場合には、もしその降伏の意思表示が、其の軍の指揮官の意思に基づくことが確実であるときは、攻撃を中止せねばならぬ。しかし、白旗を掲げることは指揮官の意思によらず単に敵の猛攻を一時的に回避する手段として行はれる様なことがある故に、そのやうな場合には、白旗の掲揚が真にその軍の指揮官の意思の表示であるとの確信を得るまで攻撃を中止するを要しない。
(P199)

とあります。

引用①は降伏規約(=降伏の合意)が常にローカルなものである事を明示的に述べています。

引用②は、降伏規約によらない降伏もある(つまり文書が無い場合も降伏は有効)、但し偽装降伏などの可能性もあるので、「本当に降伏しようとしているのか」が確認できるまでは攻撃しても良い、って事を述べています。この「相手が降伏の意思を確認する事」が条件になっている点に、「偽装だと言い張って降伏を認めず攻撃を続行する」余地が存在する訳ですが、とにかく国際法上の降伏はこう言う事です。
また、引用部分で触れられていませんが、国際上の降伏とは「無抵抗の人間を攻撃するのは不可」という慣習法が根本にあるのは言うまでもありません。

では、具体的に日本の降伏がどのように進んだか、ですが…

↓でポツダム宣言の日本語訳が見られます(要点は引用しますので、中身をご覧頂く「必要」はありません。勝手に捏造していませんよ、ってだけです)
http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/docs/19450726.D1J.html

ご質問に深く関わる条項は「十三 吾等ハ日本国政府ガ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス(以下略)」です。「直ちに日本政府はその軍の無条件降伏を宣言せよ」、「降伏するにあたって、確実にそれを実行しようとする日本政府の誠意がある事がわかる保障を出せ」っていうのが要求ですね。直ぐにしろ、と言っているのは、「日本軍の降伏」自体ではなく「降伏宣言」&(軍の降伏については)「政府が誠意をもってやるって事がわかるようにせよ」だけである事にご注目下さい。

次に、8月14日のポツダム宣言の受諾通知ですが、国立公文書館アジア歴史資料センターのWebで見られる資料「対敵交渉経過 (其1)」(レファレンスコードC14061074800)で、8月10日以降の日本と連合軍の文書が見られます。

その資料の全44ページ中の8ページ目に、日本政府(外務大臣)がスイス経由で米英中ソ四カ国政府に対してポツダム宣言の受諾を通告した8月14日の電報があります。

通告の内容の「一」は、『天皇に於かせられては「ポツダム」宣言の条項受諾に関する詔書を発布せられたり』です。つまり「最高権力者である天皇がポツダム宣言を受諾するよう命令はもう出しましたよ!」って意味ですね。
で、「二」ですが、(例えば)日本軍の戦闘停止と武装解除については『陛下に於かせられては一切の日本国陸、海、空軍官憲及右官憲の指揮下に在る一切の軍隊に対し戦闘行為を終止し武器を引き渡し前記条項(引用者注:ポツダム宣言の条項の事)実施の為連合国最高司令官の要求することあるべき命令を発することを命ぜらるるの用意あり』、つまり、戦闘行為の終了とか武器引渡しとかいった事について連合国最高司令官の命令に従う『用意』がある、って事を伝えた、って事です。
ポツダム宣言が『直ちにしろ』と要求している「無条件降伏の宣言」と「それを誠意をもって政府がやる保障」に対して、「天皇が受諾を正式に決裁した事」&「連合軍司令官の命令に従う“用意”がある事」を伝えた、って事ですね。
この時点では、「戦闘停止命令」すらまだ出ていませんでした。勿論、公式には「徹底抗戦」って事になっていた中に、密かに中央で受諾を決めたのですから仕方の無い事ですが、「戦闘停止命令」すら出ていないのですから、国際法上の「降伏」にはなりえないのは間違いないです。

実際には、満州・樺太・千島列島では、ソ連軍との戦闘が8月15日以降も続きました。満州での戦闘継続は、ソ連軍の侵攻でボロボロになり指揮命令系統も混乱して「組織だった行動が困難になっていた為」という性格が強いですが、樺太と千島では、抵抗の組織的な意思を明瞭にもって戦っています。これは、担当の第五方面軍司令部レベルで、大本営陸軍部の命令を「自衛行動はOK」と解釈したからです。

では、大本営陸軍部の命令がどんなものだったかというと、

~~~

1945年8月15日付大陸命第1381号
一、大本営の企図する所は八月十四日詔書の主旨を完遂するに在り
二、各軍は別に命令する迄各々現任務を続行すべし。但し積極進攻作戦を中止すべし
(以下略)

(国立公文書館アジア歴史資料センターレファレンスコードC14060914200の13/56画像よりの引用)

~~~

8月16日付大陸命第1382号

第一総軍司令官(中略。全陸軍司令官が列記されている))は即時戦闘行動を停止すべし。但し停戦交渉成立に至る間敵の来攻に方りては止むを得ざる自衛の為の戦闘行動は之を妨げず。(以下略)

(上記と同じ資料の17/56画像よりの引用)

~~~

です。読み方によって意味のとり方が変わり得る文章ではありますが、15日の段階では「積極攻撃は不可、それ以外の任務は従来通り」、16日の時点では「原則は即時戦闘行動停止。但し停戦交渉成立までは“止むを得ない”場合に限って自衛戦闘はOK」、と理解してもおかしくない命令ではあります。とにかく、事実としてこういう命令がが出て、第5方面軍司令部はこれを『自衛行動は可能』って言う意味と解釈してソ連軍の侵攻に反撃しました。
善悪とか反撃すべきだったどうか、という話は全く別の事として、「自衛目的の反撃をした」ってことは、抵抗の意思を捨てていない=国際法上の「降伏」は成立していない、って事には疑問を差し挟む余地がありません。

もうおわかりと思いますが…

・国際法上の降伏は、抵抗の意思を捨てた時点(正確には相手もそれを認めた時点)で成立する

・8月14日のポツダム宣言受諾では、まだそうなっていない。玉音放送も当然同じ

・その後、場所によって時期の多少の違いはあれ、個別に「五月雨式」に国際法上の降伏が成立した

って事です。

じゃぁ、9月2日の文書は何なのか、ですが、日本語文が↓で見られます。
http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/docs/19450902.O1J.html
この中には、例えば、大本営に対して、『全ての軍隊へ無条件降伏の命令を出せ』と命令している文章もあります。まだ無条件降伏していないかのような書き方になっていますが、実際には、9月2日の時点では(私の知る限りですが)組織的に抵抗の意思を維持していた軍隊はありませんでしたから、単なる「形式」に過ぎません。(ちなみに、大本営陸軍部が「一切の武力行使の停止を命じた」大陸命1385号は8月18日付け)

要するに、本来「ローカルで起きる」国際法上の降伏が、実際にローカルに起きていて、9月2日以前に現実に降伏していた、って事です。ですので、9月2日の文書は形式的にそれを後追いした降伏文書以外ではありえません。仮にここで「いいや、降伏じゃなく休戦だ」みたいな事を言い出だしたとしても何の意味もない、っていうか不可能です。もう国際法上の降伏は現実に既に成立していましたからね…

長文失礼しました。

  • cel********さん

    2017/8/2816:27:04

    (おまけ)

    しつこくすみません。

    国際法上の降伏は本来ローカルな出来事で、日本も上記の通り最初からその前提で実際にもそうなりました。(常にそうとは限りませんが…)

    「五月雨式」の場合、いつをもって「終戦」として認識されるか…

    それについて「国際的な常識」なんてないです。9月2日ベースの国が多数派ってだけで、実際、英国では8月15日がVJ-day(対日勝利記念日)です。

    米国もトルーマン大統領が8月14日(日本時間8月15日)に記者達に「This is the day we have been waiting for since Pearl Harbor. This is the day when Fascism finally dies.」と語っています。つまり、トルーマン自体が「日本のポツダム宣言受諾=終戦(ファシズムがついに死んだ日)」と言っていました。単に行事を正式の降伏文書調印日にして今も踏襲しているだけです。

    9月2日を『記念日』にする国が多い事と「国際法上の降伏」とは無関係です。
    ネットって不思議な説が広まりますよね…

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ベストアンサー以外の回答

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2017/8/2612:47:35

休戦協定の文書化によって、正式に、戦勝・降伏が明らかにされます。

国際法上の休戦の協定には文書化は必要ではありません。
双方が、休戦/停戦を宣言・応諾を口頭などの申し入れで行う事で成立します。

この休戦/停戦期間に、終戦の文書/国際条約を結ぶことで戦争は正式に終結します。

戦争を終結するための文書ですから、敗戦側からは「降伏文章」となるだけです。

休戦期間を決めず、自国にとってのメンツにかかわる休戦協定を「降伏文章」呼んでいるだけですので、

1945年9月2日のミズーリ号に赴いた全権代表は内容が「降伏文書」であったことを先刻承知でした。
また、この人たちを『調印』に行かせるために全権を与えた人たちも内容は承知していました。
無条件降伏を前提とした「停戦の呼びかけ(ポツダム宣言)」に、これ以前の8月15(14)日に日本は既に応諾しています。
ミズーリ号上で提示された文書は所謂「違約文書」ではありません。

因みに、8月15日は『終戦の記念日』で、9月2日が『敗戦の日』になります。
これが、国際的な常識で、英米加豪では、8月15日は特に儀式などは行わず、9月2日が正式な「戦勝記念日」となっています。

この辺の国際法上の手続きなどについて、もう少し学ばれると、上記の疑問は晴れると思います。

なお、上記調印式の日本側全権代表団の選定は相当揉めています。
(当時の日本の指導者層の中に、降伏文書に署名するのを嫌がった人間がいたりしたためです)

sak********さん

2017/8/2412:01:10

別に調印に行く前と行った時に文章が違っていたわけではありませんよ。米、英、ソ、中の共同宣言を受諾したんですから。

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kor********さん

2017/8/2409:16:17

「休戦協定」の内容を見ないから、そういう疑問が出るのです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%99%8D%...

「無条件降伏」の宣言が主たる物で、実際には「降伏文書」です。抗議するも何もあったものではありません。

調印しなければ、本土決戦ですね。あなたも生まれていないかも。

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kar********さん

2017/8/2407:37:59

無条件降伏だから。

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