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マルテンサイトの焼戻しに関する下記についてご教示いただけないでしょうか。

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ID非公開さん

2019/5/500:00:20

マルテンサイトの焼戻しに関する下記についてご教示いただけないでしょうか。

①マルテンサイトを焼戻すことで、セメンタイトを析出しますが、転位の観点から、これにより強靭性が増す理由についてお教えください。

セメンタイトが析出することで、結晶粒が新たに生成され、結晶粒界の面積がさらに大きくなるため、結果として転位が阻害され、より硬く脆くなる気がするのですが…結晶粒界の面積が大きくなるよりも、新たな結晶粒が周囲の転位を飲み込む影響のほうが大きいということなのでしょうか。

②また、マルテンサイトの焼戻しは、「結晶粒の微細化を狙ったもの」と記載されている資料があるのですが、この認識は正しいのでしょうか?

私は、マルテンサイトが硬い理由の一つが「結晶粒が微細で結晶粒界の面積が大きく、転位が阻害されているから」だと思っていました。そうであるならば、結晶粒を微細化するという行為は、靭性を下げる方向にもっていくのではないでしょうか。

以上、よろしくお願いいたします。

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uni********さん

2019/5/500:39:24

研究者です。

①について
「強靭性」という言葉は正式ではないので「靭性」だと解釈して回答します。

そもそも、セメンタイトと結晶粒生成は一切関係ありません。焼戻し温度によりますが、実際に結晶粒が新たにできる(再結晶する)ことはあまりありません。

一般的に、焼戻しによる靭性の向上は回復(転位が減ること)や固溶炭素原子の吐き出しによる固溶強化の減少によって説明されることが多いと思いますが、セメンタイトの析出によって説明されることはあまりないと思います。

もしかして、この問題は比較対象が焼戻し前後ではなく、焼きならし後と焼入れ焼戻し後だったりしませんか?それならば焼きならししたときに比べてセメンタイトは微細に分散するので結晶粒の粗大化が抑制され、粒界面積が大きくなるのでより強靭になると説明がスッキリします。

いずれにせよ問題文が曖昧で悩む問題だと思います。

少なくとも質問者さんのように「セメンタイトが析出することで、結晶粒が新たに生成され、結晶粒界の面積がさらに大きくなるため」ではありません。セメンタイトができるからと言って新たに結晶粒ができるわけでもありませんし、結晶粒の微細化は強靭化こそすれ脆化は起こさないからです。
金属の強化方法のうち、結晶粒微細化強化だけはなぜか延性を損ねないので靭性を改善する効果があることは面白いところですね。


②について
マルテンサイトの焼戻しは、「結晶粒の微細化を狙ったもの」と記載されている資料があるのですが、この認識は正しいとも言えますし、正しくないとも言えます。

なせなら「場合と意図による」からです。
例えば自動車の構造用鋼などでは、その通り結晶粒の微細化を狙って靭性を高める目的で焼入れ焼戻しがされます。
しかし、刃物のような用途では一般的にそこまで焼戻しせずに硬いマルテンサイトのままで使いますから、結晶粒の微細化はあまり関係ありません。
また、微細化されたとしても、それを操作者が意図しているかどうかは別問題です。焼戻しではもっともっと複雑な行程や種類などがあり、結晶粒微細化以外にも狙われる効果がたくさんあります。

よって、「場合によってはその通り結晶粒微細化を狙って行われるが、その限りではない。」とするのが最も正しい記述です。


なお、あなたの考えである「マルテンサイトが硬い理由の一つが「結晶粒が微細で結晶粒界の面積が大きく、転位が阻害されているから」だと思っていました。」
というのは明らかな間違いです。実際に焼入れ後では、結晶粒の大きさはほとんど変化せず、転位密度が増えたりラスやレンズなどのマルテンサイト特有な組織が現れます。硬くなる程度から考えても、結晶粒の微細化でマルテンサイトの硬さのほんのほーんの一部しか担っていません。

また、途中にも書きましたが「結晶粒を微細化するという行為は、靭性を下げる方向にもっていく」というのも間違いで、結晶粒を微細化するとむしろ靭性を上げます。
これについては説明がかなり難しいのですが覚えておくと良いと思います。

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    質問者

    ID非公開さん

    2019/5/621:03:16

    ご丁寧にお教え頂きありがとうございました。
    「マルテンサイトは、結晶粒微細化強化、個溶強化、炭素の再配列等により強化される」と手元の資料にはあるのですが、微細化強化が寄与するのは僅かということですね。またご指摘頂いた内容を踏まえて微細化強化は延性を損なわないので靭性が向上すると理解しました。

    ただ、「焼戻しによる靭性の向上は回復(転位が減ること)や固溶炭素原子の吐き出しによる固溶強化の減少によって説明されることが多いと思いますが、セメンタイトの析出によって説明されることはあまりないと思います。」とのことですが、手元の資料には「セメンタイトの析出、凝集などの組織変化で格子ひずみが緩和され、ねばさが回復する」とあります。
    つまり、セメンタイトの析出という微細組織の変化に伴い転移が回復しているのではないでしょうか。また、この回復は「再結晶」とは関係がないという認識でよろしいでしょうか?

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