ゴジラ映画は基本子供(小学生〜未就学児)向けで、子供時代に見たゴジラ映画から卒業できない大人がその後もシリーズを支えている一面がある…という点をまず理解していただく必要があります。
ゴジラ自体は1954年から始まったのですが、1960年代半ば頃にテレビの特撮ヒーロー物などで怪獣ブームが起き、テレビ怪獣と一緒に映画のゴジラやガメラにも夢中になった子供が多いので、今でも還暦前後くらいの世代が一番ファン層としては多いです。
平成ガメラの監督だった金子修介さんや「シン・ゴジラ」の総監督だった庵野秀明さんなどはちょうどその怪獣世代の方々です。
「シン・ゴジラ」は、まだ子供向けという方向性が明確ではなかった初代「ゴジラ」(1954)を意識して作られている部分があるので、一見大人向けのようにも見えますが、子供映画が少なかった50年代頃に封切られていたら、初代と同様に子供たちが殺到した内容ではないかとも感じます。
今はアニメなど数多くの子供映画がありますから、子供たちはもう「シン・ゴジラ」には興味を示さなかっただけとも言えます。
数多く作られたシリーズの中でも「シン・ゴジラ」や初代「ゴジラ」のような雰囲気の作品は意外と少なく、大半が子供向けの荒唐無稽な内容ですから、「シン・ゴジラ」と同じような作風を期待しているとがっかりなさるはずです。
怪獣映画としては、金子修介監督の平成ガメラ三部作と「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001)、昭和時代の「モスラ」(1961)「空の大怪獣ラドン」(1956)辺りをまずご覧になって、これらも面白いと感じたら、その他のゴジラ映画を気の向くままご覧になっていけばよろしいかと思います。