メッサーシュミットBf109は主脚の間隔の狭さから事故が多かったらしいですが、スピットファイアでは同様の事故はなかったのでしょうか?
メッサーシュミットBf109は主脚の間隔の狭さから事故が多かったらしいですが、スピットファイアでは同様の事故はなかったのでしょうか? スピットファイアもBf109と同じような形状で主脚の幅は狭いように見えるのですが
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説明としてはいいんですが、「結論」のイメージにちょっと違和感があります。 確かに「Bf109」は「主脚が欠点」みたいな言われ方をするんですが、これはちょっと極端に言うなら、「敢えてそうしている」みたいな部分が、少なくとも結果的にはします。 Bf109もスピットファイアも、設計が始まったのは「ワイヤーで支持された薄翼」に「固定脚」といった機構が当たり前の、と言うより、「速度的」にはそういう機構が優れていた時代に「次の時代の新鋭機」として開発されています。 その時代に「引き込み脚」をどう処理するか?というのは、想像以上の大問題で、しかも、結局各機とも、ある意味たいてい問題を残した部分でもあります。 その中で、この両機が「外側に引き込む方法」を採用したのは、まあ、単純に言い切れば「古い方法」ではあるんですが、「主翼中に強度ポイントを作らなくてよい」という点では、後の「ジェット軍用機」を先取りしているとも言える構造な訳で、「どちらが優れている」と単純に言えることでもありません。 んで、似た方法ながら、「スピットには主脚が弱点」といった指摘がほとんどない、というのは、昔から結構議論されている内容です。 基本的議論は出ているかな?と思うんですが、要するに、「脚柱が短めで垂直だから」みたいなことが言われて、「じゃあBf109の脚柱を真っ直ぐにすれば良かったのか?」みたいな点では「どうだろうね??」というので終わるというのが定石になっています。 ただ、この差が生まれてしまった原因は、「スピットファイア」は結局「主翼取り付け部の翼側を補強して主脚を付けた」のに対し、「Bf109」は「エンジン防火壁というハードポイントを利用して主脚を付けている」からで、つまり「Bf109」の方がはるかに「安価な造り」になっているからなんです。 このため、「Bf109」は「安いくせにかなり機体強度が維持できる」構造な訳ですが、その分「主脚」には不安が残ったってことです。 これは、「機銃搭載」でも、「主桁への影響を最小にする努力」=基本的には搭載しない、主桁より前、あるいは下に搭載する、という方向に努め、結果的に「安い主翼の割には強度がある」という評価を得ています。 ただ、この方法で火力を増強すると、「空力を悪化させる可能性は高い」ものにはなります。 ある意味、これと逆の傾向があるのが「P-51」で、「試作型~A型初期」までは「機首武装」だけだったのが、「武装強化」=「翼内機銃装備」の過程で「空力重視」=「主桁強度はどちらかというと犠牲」という方向を取っています。 まあ、これだけが原因ではないんですが、「P-51」は「主翼が比較的脆弱な戦闘機」という評価が定着してしまいました。 この点、同じアメリカ機の「P-47」がかなり「強度優先」っぽいのとも違う点です。 そう考えると「Bf109」も「スピットファイア」も、まあ、問題点はあるけれど、敢えてこの方法をそのままにしている、みたいな点もある、ただ、段階的に「スピット」の方が「トラブル」が少なかっただけ、でも、多くの機体が「内側引き込み」=「広いトレッド」に移行する中で、「文句が無かった訳ではない」と思います。 ともかく、この「胴体側主脚」=狭いトレッド、の意外な利点では、ヨーロッパに多い「芝生飛行場」などではむしろ「操作が楽」だったそうです。 それはさておき、「Bf109」は確かに「脚故障」が多かったと言われますが、それで「出撃数」に支障を出したかと言えば、むしろ「生産性」の高さから「稼働機」を減らすことはあまりなく、「終戦時」さえ、ドイツの飛行場には「タンクに一度も燃料が入った跡がないBf109」がずらっと並んでいたと言われています。 ああ、「Bf109」は、「翼を外せる」上に、「胴体に車輪が付いている」=自立できる、ので、簡単に「鉄道、トラックで運べる」という珍しい機体でした。 こういう点、後に「そもそも翼を外せない」=一体成型、が当たり前の時代になっても、こういう「主翼分割型」の機体が「対等に戦えた」だけでもすごい訳です。 つまりは、「Bf109」の魅力は、こういう「貧乏くさい多くの特徴」で10年に渡り「主力戦闘機の座」を維持したことにあり、「スピットファイア」も多少「豪華さ」もありますが、同じような特徴があり、それだけに「イギリスを救った戦闘機」と愛されている訳です。 単純な「技術論」だけで、とやかく言える存在じゃアないんです。
質問者からのお礼コメント
ありがとうございます
お礼日時:2020/11/30 23:48