地震と震災の違いがあります。
地震は、岩盤の破壊現象による地面の揺れの事。
震災は、地震によって引き起こされた災害です。
ですから、大きな地震=震災ではありません。
例え大きな地震が起きても、
人里離れた場所なら被害は少なく震災にはなりません。
マグニチュードの小さな地震でも、
地表近くや大都会の近くであれば、大きな被害になり震災となります。
被害の大きな地震が震災となる訳で、歴代では、
1 M7.9 大正関東大震災 1923年9月1日 死者行方不明者105,385人
2 M9.0 東日本大震災 2011年3月11日 死者行方不明者22,199人
3 M8.2 明治三陸地震 1896年6月15日 死者行方不明者21,959人
4 M8.0 濃尾地震 1891年10月28日 死者行方不明者7,273人
5 M7.3 阪神・淡路大震災 1995年1月17日 死者行方不明者6,437人
ここで3位と4位がなぜ震災となっていないのかは、
明治時代は、地震と震災の区別が無かった時代だからです。
現在の概念だったら3位と4位の地震も大震災となっていました。
確かに、質問者さんの指摘通り、昭和には震災が無い。
しかし6位以降を見て下さい。
6 M7.1 福井地震 1948年6月28日 死者行方不明者 3,769人
7 M8.1 昭和三陸地震 1933年3月3日 死者行方不明者 3,064人
8 M7.3 北丹後地震 1927年3月7日 死者行方不明者 2,912人
9 M6.8 三河地震 1945年1月13日 死者行方不明者 1,961人
10 M8.0 昭和南海地震 1946年12月21日 死者行方不明者 1,443人
ずらりと昭和の地震が並びます。
ここで、1位から5位と
6位から10位の地震のマグニチュードを見て下さい。
被害とマグニチュードは比例していない事に気づきます。
昭和の時代に震災が無くても、
マグニチュードの大きな地震は起きている。
となると、
震源地がたまたま人が住んでいる場所から遠かっただけなのです。
決して昭和の時代が大きな地震が少なかった訳ではないのです。
それと10位の昭和南海トラフ地震なのですが、
これは戦時中なので、地震の調査や公表は控えていたのです。
空爆など戦争の被害と地震の被害の見分けも付かないし、
地震の前に戦争の被害があったので
地震による被害が少なかったかもしれません。
なにより戦時中なので地震の報道も少なく、
例え被害が多く報告されていても
震災と名付けなかったかもしれません。