・・・軟弱者には、焼きが入らない・・・
軟弱者に焼きを入れても効果はない!ってことです。
いい加減な知識から「人生訓」など出て来やしません。
正しい知識を身に着けて下さい。
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日本刀など刃物・・・というのだから、
明治時代までの日本での刃物と理解します。
日本での製鉄の特徴は、
「木炭」を燃焼させたときの熱を利用したことです。
製鉄とは、
「木炭」を燃焼させたときの熱で、
鉄鉱石や砂鉄に含まれている「黒錆」を
鉄に戻すと同時に炭素との合金をつくる技術です。
鍛錬とは、
和鋼の精練工程のことで、「鍛造」とは違います。
和鋼の製鉄炉では、
刃物にするには
炭素量が多過ぎる「いもの鉄」と
程良い炭素量の「ハガネ」と
炭素量が少な過ぎる「軟鉄」が
製鉄カスとごちゃ混ぜとなって生産されます。
そこから程良い炭素量の「ハガネ」を選別して
刀の素材をつくる工程が「鍛錬」です。
「いもの鉄」は「鍛造」できません。
「軟鉄」は「焼き」が入りません。
だから、程良い炭素量の「ハガネ」を集めて
鍛錬して炭素量を調整し、
熱して叩いて刀の形につくります。
「いもの鉄」、「ハガネ」、「軟鉄」は、
含まれている炭素の量で分類します。
「ハガネ」は、ある温度に加熱して急冷すると、
硬い金属組織に変化します。
炭素量が少な過ぎる「軟鉄」は、
加熱して急冷しても、金属組織は変化しません。
だから、「焼き」が入らないのです。
軟弱者は、ぶん殴っても強くはならないのです。