人為的に排出したCO2のうち、半分は海と陸に吸収され、半分は大気に残って、年に2ppmずつCO2濃度が上昇しています。
従って、排出を半減させると、CO2濃度の上昇は止まって、一定になります。
もし、パリ協定の目標が30年後の2051年に世界全体のCO2排出半減だとすると、2021~2031年までは年に2ppmの増加、2031~2041年は年に1.5ppmの増加、2041~2051年は年に1ppmの増加と想定した場合、2051年のCO2濃度は445ppmとなります。
具体的な目標値は見たことがありませんが、445ppmが実現の可能性がある事実上の目標値です。
2050年に世界全体のCO2排出ゼロが目標なんていうのも見かけますが、絵空事で絶対に実現しません。
明日、CO2排出をゼロにしたら、以下のようになります。
・大部分を占める石炭、石油、天然ガスによる火力発電はできなくなるので、停電したままになります。これは何十年も続きます。水道とガスも止まったままになります。
病院では重症者は大方、死んでしまうでしょう。
・自動車、船、鉄道、飛行機は全て動かなくなります。江戸時代のような生活になり、鹿児島から東京までは歩いていくか、帆船に乗らざるを得ません。東京からアメリカやヨーロッパまでは帆船で行くことになります。
・暖房、冷房はできません。凍死者が大幅に増えるでしょう。CO2ニュートラルのまきと炭による暖房のみ可能です。
・工場は稼働しなくなるので、工業製品は作れなくなり、なくなります。工場で合成する薬もなくなり、病気の多くは治せなくなって死亡率が上昇します。全てのプラスチック製品はなくなり、木製になります。
製鉄と冶金はCO2ニュートラルの木炭しか使えなくなるので、金属はわずかしか使えません。
・農業用ハウスでの野菜、花き、果樹生産における燃料消費はなくなるので、冬はトマト、キュウリ、ピーマンなどは食べられなくなります。
農業機械を動かせなくなるため、食糧生産は1/3になり、50億人が餓死します。CO2排出即時ゼロを主張するグレタさんも、人力だけで生産した食糧を入手できずに餓死するかもしれません。
食糧自給率が35%位の日本では食糧輸入が船を動かせないことで止まりますから、1億2千万人中1億700万人が餓死します。
ご遺体は木で火葬するため、火葬に3日位かかります。
どれほどCO2の排出ゼロが非現実的であるかがおわかりいただけたでしょうか。
温暖化問題イソップ物語(創作)
あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
いえにはクーラーがありましたが、おじいさんがちきゅうおんだんかをふせぐためにクーラーをつかわないことにしようといいました。
あるあついひ、おじいさんとおばあさんはへやのなかでねっしゃびょうでしんでしまいました。
ちきゅうおんだんかをふせぐために、せきゆ、せきたん、てんねんがすをつかってはいけないというほうりつができ、はつでんはたいようこうはつでんとふうりょくはつでんだけになりました。
あるひとがびょういんでしんぞうのしゅじゅつをうけていたところ、ひがかげって、かぜもとまり、ていでんになりました。そのひとはしんでしまいました。
たいようこうはつでんとふうりょくはつでんだけになったとき、ていでんをふせぐためにちくでんちをつかったところ、かせきねんりょうをつかっていたときに、いちまんえんだったでんきだいが10まんえんになりました。
きゅうりょうが15まんえんのひとは、やちん5まんえんと、でんきだい10まんえんをはらったら、たべものをかうおかねがなくなり、うえじにしてしまいました。
うえじにしないようにでんきをまったくつかわなかったひとは、あるまっくらなよるかいだんからおちてあたまをうち、しんでしまいました。