ラズパイ 3 B+ に繋いだ USB HDD 上で Samba による NAS を利用しているものです。 まず、NAS は Network Attached Storage の略であり、ネットワークを介して HDD と同じように扱うものです。 また、ここでは NAS に Samba を利用しているものと仮定します。 ネットワークの安定性と Samba の機能は、分けて考えてください。 Samba でデータのやり取りをする場合、途中で電線が切れたとか、電源が落ちたとかいった不測の事態がなければ、書き込みに失敗することは稀です。 なぜならそれは TCP でファイルをやり取りするからです。 TCP は、どんなファイルがどう送られているかをチェックして、不足していれば再送要求を送る仕様です。 TCP ならば、瞬断程度では途切れません。 稀と書いたのは、ネットワークの経路ではなく、マシンの NIC から CPU → HDD への通信で、エラーが起こることがあるからです。 これは ECC メモリ等の高価なサーバ用マシンを使う必要がでてきます。 パソコン程度なら、信頼性はラズパイとあまり変わりません。 次にネットワークですが、ping を 1000 回打って、一部でもタイムアウトが発生するようなネットワークで NAS を利用する場合は、当然ながら書き込みが遅くなります。 応答がタイムアウトするなどで TCP のセッションが切れた場合は、ファイルの書き込みも失敗となります。 LAN ケーブルの接触不良や断線といった理由も考えなければなりません。 こうした理由で、ラズパイだろうが PC サーバだろうが、ネットワークがダメなら同じです。 ラズパイと PC サーバで違うのは、ネットワークの接続速度です。 クライアント側で NAS 上のファイルを同じ NAS 上にコピペすると、一度クライアント側までデータを持ってきて、またサーバまで送り返すことになります。 なので、書き込み速度を上げるなら、ギガビットイーサ以上の帯域幅をもつネットワーク機器で繋いでやれば良いです。 ラズパイの通信は、NIC と USB の通信が同じ回路にあるため、テレビから録画（いわゆる動画の保存）させながら、別 PC で動画を視聴するような過酷な使い方をするには性能が不足しています。それこそ使い物になりません。 でも、そんな使い方をしなければラズパイで十分です。