主権国家とは国内において統治者(近世ヨーロッパなら国王)がそれ以外の権力によって妨害されることなく権力を行使できる国家のことです。
逆に言えばそれ以前の封建国家とは国王以外の勢力が国内で権力を行使していたということになります。
具体的には諸侯や教会です。
中世なら諸侯は力を持っていたので国王といえど蔑ろには出来ませんでしたし、教会も権威の上で国王を凌駕していたので、どちらも国王の意に添わないやり方で国内で権力を行使していました。
しかし十字軍や百年戦争での疲弊や価格革命によるインフレ、歩兵の台頭によって諸侯は没落していきました。
また教会も宗教改革によって権威を失っていきました。
代わりに国王が国内において卓越した権力と権威を得ることとなり、主権国家を作ることが出来ました。
フロンドの乱にみられるように貴族もこの状況を嫌がって反乱を起こしましたが鎮圧されてしまい、国王が絶対的であることを認めることとなりました。
逆にドイツではウェストファリア条約の結果、皇帝は諸侯が主権者となることを強いられてしまい、ドイツ地方における統一的な国家の出現は遅れました。