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ユングのコンプレックスと元型の共通点と違いについて詳しく教えていただきたいです。

心理学98閲覧

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コンプレックスも元型も自我の主体性を脅かす「心的内容(イメージ)の複合体」として共通していますが、大きな違いは、コンプレックスが経験的、個別的であるのに対し、元型は先験(経験に先立つ)的、集合的だということです。 幼い頃、野良犬に追いかけられた怖い経験から犬コンプレックスを持っている人がいます。彼の犬コンプレックスは彼の経験によるものなので彼だけのコンプレックスです。私達全員が犬コンプレックスを持っているわけではありません。(経験的・個別的) しかし、例えば元型の一つである母元型(グレートマザー)は、私達人類の誰もが持っている元型です。なぜなら私達全ての人類は例外なく母親から生まれる経験を持っているからです。(集合的) また私達人類は、地球上に現れた、おそらく何百万年の昔の原始人の頃から母と子の葛藤のドラマを繰り返してきました。こうして何百万年も繰り返されてきた経験と記憶は次の世代へと引き継がれていきます。 ユングは元型は「遺伝によって継承される」と言っています。(先験的) つまり、私達個々人が生まれる前から遺伝子レベルで生得的に脳(こころ)に刻まれている。脳(こころ)はタブラ・ラサ(白紙)ではないということです。(※生物学遺伝学的に正しいかどうかはここでは問いません) ユングの元型論は恐らくプラトンの「イデア」やカントの「物自体」から影響を受けていると思われます。 これはユング研究者の林道義氏も指摘しているところです。

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コンプレックスは日本語訳として複合体などとされますが、元型との関連でいえば、元型に由来するイメージやそれに伴う情動の複合体という感じでいいと思います。 たとえば男性での「母親コンプレックス」という感じであれば、母親像や女性像に背景にある太母、女性像に影響を与えるという意味ではアニマ、自身の同一性を機能的に維持する自我、自我を想定する場合は影とセットの方がいい、という感じの集合体。 ですので、共通点というよりは、様々な元型が有機的にどう関連し合って機能しているかを推し量るために、ある程度一塊にさせて捉えるための概念がコンプレックスだと思います。これによって、特に自我と各元型との関係性の濃淡を推し量ることが可能で、あるテーマでは冷静だけれど、あるテーマでは困惑するとか、治療者側の患者理解、患者自身の内省や洞察のお手伝いをするのに便利です。