遠藤周作氏のおすすめの書籍を御教示下さいませ。

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2021/11/29 20:18

ノーベル文学賞の候補にもなった遠藤周作。 「人間の魂を救済」することを目的に描かれた作品たちは、1950年代から現代に至るまで数えきれないほどの読者を魅了し、今でも世界中の人々に読まれ続けています。 私自身、遠藤作品をはじめて読んだときの深い感動は今でも忘れることができません。ひどく心を打たれ、私の価値観の礎になっているのは間違いありません。 遠藤作品を大きく分けると、「宗教・人間愛・倫理観など深く鋭いテーマを掲げた純文学」「ユーモア溢れる優しいエッセイ」の2つに分かれます。作者の二面性には読むたびいつも驚かされますし、誰が読んでも、同じ作者が書いたようには思えないでしょう。 ちなみに、遠藤作品のなかで、代表作と呼ばれる作品は前者の「純文学」にあたります。 今回のコラムでは、数百をゆうに超える遠藤作品のなかから、これだけは絶対に一度は読んでほしい、宗教を持たない日本に生きているからこそ、改めて考えてもらいたいそんな作品を3作品紹介します。 キリスト教の意味を問う 『沈黙』 新潮社 島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる。 神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。 日本人にとっての「キリスト教の意味」を改めて問う長編作。 世界中で翻訳され、遠藤作品の中で最も有名な一冊であり、日本文学の代表作としても広く知られる作品です。 日本人が、なぜ異国の宗教・キリスト教を信仰するようになったのか?一度はそんな疑問を持ったことがある人も少なくないでしょう。 ぜひ、多くの方に本書を読んでいただきたいと思います。 「キリスト教の意味」とは?年貢を納めることに必死で、変化もない、希望もない人々の毎日に彩りを与えてくれたのが、キリスト教そのものだったのだと思います。 苦しいことがあっても「信じるものは救われる」という言葉を心の支えに生きるしかなかった。 そして、主人公のロドリゴは、キリスト教を棄て踏絵を踏むか(棄教)、死を選ぶか(殉教)どちらを選択するか判断を迫られます。 神に救いの手を求めるものの、神は「沈黙」しているのみ。 究極の選択の先にあるものとは?多くのことを考えさせられる名作です。 宗教を持たない日本人が本当に恐れることは? 『海と毒薬』 生体解剖事件を小説化し、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。 解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理的真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描く新潮社文学賞受賞の問題作。 1945年の九州大学生体解剖事件をモチーフにしたフィクション。 (九州大学生体解剖事件:九州大学の医学部内で、捕虜となったアメリカ軍兵を解剖し、臨床実験を行った事件) 「日本人は宗教を持たないことから、規範とする対象がない。そのため、自身の利益や、集団心理に影響されて行動する傾向がある。キリスト教信者であれば教えに沿って拒否するような”不道徳的なこと”でも、日本人は同調圧力に負けてしまう場合があるのでは?」と、キリスト教信者の遠藤周作が疑問に思ったことがこの作品を生み出すキッカケとなりました。 実際、登場人物たちは、みな普通の感覚を持った医学生でした。 生体解剖なんてとてもできない、人を殺すなんてと言いながら、やむなく生体解剖に立ち会うのですが、そこで彼らは気づきます。 他人の死、他人の苦しみにはなにも感じない自分に。 自分が恐いのは、他人の眼や社会の罰ということに。 読めば間違いなく背筋が凍る一冊です。宗教を持たない日本に生きているからこそ、読んでおきたい作品です。 すべての人を包み込む河 『深い河 ディープ・リバー 』 講談社 愛を求めて、人生の意味を求めてインドへと向う人々。 自らの生きてきた時間をふり仰ぎ、母なる河ガンジスのほとりにたたずむとき、大いなる水の流れは人間たちを次の世に運ぶように包みこむ。 人と人とのふれ合いの声を力強い沈黙で受けとめ河は流れる。 純文学書下ろし長篇待望の文庫化、毎日芸術賞受賞作。 美津子は自分自身を、学生時代から「心はいつも虚ろ」で、誰かを本気で愛することができず、乾ききって枯渇した女だと思っていました。 ある日、キリスト教信者の男・大津と出会った際も、大津に神を捨て自分を選ぶよう誘惑します。 美津子にとっては単なるゲーム感覚でしかなく、二人はすぐに別れるのですが、時を経て二人は再会します。 無神論者であることから、宗教を軽視する美津子の姿を苦々しく思いつつも、どこか理解できてしまう部分がある、そんな方もいるのではないでしょうか。 「本気の祈りじゃないわ、祈りの真似事よ」と言っていた美津子が、インド・ガンジス河での沐浴を経験したときそこにはこれまでに経験したことのないような世界が広がっていたのです。 すべての人間の生から死までを包み込む『深い河』。 生きる意味を見出したい人に差し伸べたい一冊です。 深い余韻に心を打たれる長編です。 遠藤周作は、日本文学を語るうえでなくてはならない作家です。 自分自身の心理を言い当てられているようで読んでいて怖くなるときもありますが、それほどに効き目がある作品こそ文学と呼べるのではないでしょうか。 ぜひ、一度は読んでいただけると嬉しく思います。

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私も20代の頃読んでおり 覚えているのは 女の一生 沈黙 私が棄てた女 海と毒薬 時代小説もありましたね。

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随分と以前読んでいました。 当時は10冊位は読んだように思いますが、覚えているのは少しです。 『黒ん坊』『海と毒薬』『ぐうたら人間学』は印象深いです。

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