パレスチナ問題とエルサレム問題はイコールになりますか?
パレスチナ問題とエルサレム問題はイコールになりますか?
ベストアンサー
イコールではありません。異なる問題です。 〔パレスチナ問題〕 第一次世界大戦中、イギリスは戦争資金を調達するためユダヤ人コミュニティに協力を要請し「パレスチナにユダヤ国家建設を支持する」と表明した書簡「バルフォア宣言」を送り、同時にオスマン帝国からの独立をめざすアラブ民族には、メッカの太守フセインに対してイギリスへの協力の代わりに「アラブの独立支持を約束する」という書簡「フセイン・マクマホン協定」も送ります。 戦争終結後、パレスチナとヨルダンはイギリスの委任統治領になりました。イギリスがアラブとユダヤ双方に対し相反する約束をしたことが、二つの民族主義の衝突の芽となりました。 また、1930年代以降ナチスによるユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れ、第二次大戦後、ホロコーストの影響でユダヤ人国家建設というシオニズムの主張が力を持つようになります。 1947年、国連はパレスチナの土地にアラブとユダヤの二つの国家を作るという「パレスチナ分割決議」を採択します。しかしその内容は、パレスチナに古くから住む多数のアラブ系住民に43%、新しく移住してきた少数のユダヤ系住民に57%の土地を与えるというもので、アラブ系住民とアラブ諸国から猛反発が起こります。 パレスチナを統治していたイギリスは撤退し、アラブ・ユダヤ双方の武装対立と緊張関係のなか1948年にユダヤ側はイスラエル建国を宣言し、今日に至るのがパレスチナ問題の概要です。 〔エルサレム問題〕 旧約聖書はユダヤ教・キリスト教・イスラム教の共通の経典です。 旧約聖書ゼカリヤ書12章では「地のすべての国々はエルサレムに集まって来る」と書かれています。 エルサレム問題は、エルサレムは世界の大使館が置かれる首都であるべき都市という理念が起源となる問題です。 イスラエルはエルサレムを自国の首都と宣言しているが、日本を含む多くの国はこれを認めず、大使館もテルアビブに置いています。米国も長らく国際社会に歩調を合わせ、テルアビブに大使館を置いていましたが、2017年にトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認め、米国大使館をエルサレムに移転することを宣言しました。 米国は1995年に議会でエルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館をエルサレムに置くエルサレム大使館法を制定していましたが、アラブ側に配慮し長年 移転を実行しないままでした。 パレスチナ自治区ガザでは大規模な抗議デモが起こり、トルコや周辺アラブ諸国も批判の声を挙げた問題です。
質問者からのお礼コメント
こまかく説明ありがとう!
お礼日時:1/29 20:00