まぁ、質問の場合、法的に行旅死亡人として処理される。 行旅死亡人っていうのは、本人の氏名または本籍地・住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り手が存在しない死者を指す言葉なんだよね。 「行旅」ってあるけど、必ずしも旅行中の死者であるとは限らず、本人の氏名または本籍地・住所などが判明しない死者全般を指すんだ。 で、余談になるけど、一般的に身元不明の死者というイメージがあるけど、住居にて発見された遺体（いわゆる孤独死）や、遺留品中に身分証明書があった場合でも、本人と断定できなければ、行旅死亡人として取り扱われことになるんだ。それは死亡した居住者や住居の関係、身分証明書と死亡者との関係が完全に証明されたわけではないとされるからなんだ。 行旅死亡人は行旅病人及行旅死亡人取扱法によって、その後の取り扱いが次のようにされる。 ・死亡推定日時や発見された場所、所持品や外見などの特徴などが市町村長名義にて、官報に掲載され公告される。 ・地方自治体が行旅死亡人の遺体を火葬し遺骨として保存される。 ・遺留品中に現金や有価証券があればそれを取扱費用に充てる。 ・遺留金銭で足りなければ、行旅死亡人が発見された地の市町村費をもって立て替える。 ・相続人が判明した場合、相続人に市町村費から支出した取扱費用の弁償を請求する。 ・相続人がいないか、相続人による弁償ができない場合、死亡人の扶養義務を履行すべき者に請求する。 ・公告後60日を経てもなお弁償されない場合、当該市町村は遺留品を売却して売却益を弁償に充てることができる。 ・最終的に弁償されなかった取扱費用は、行旅死亡人の取扱いを行った地の都道府県がこれを弁償する。