再来年の大河ドラマが紫式部に決まりましたが、近いうちに卑弥呼や聖徳太子を題材にした大河ドラマは制作されると思いますか?
再来年の大河ドラマが紫式部に決まりましたが、近いうちに卑弥呼や聖徳太子を題材にした大河ドラマは制作されると思いますか?
1人が共感しています
ベストアンサー
もう10年以上前になりますが、NHK大阪が制作したスペシャルドラマで「聖徳太子」「大化改新」「大仏開眼」という三部作がありました。 聖徳太子は本木雅弘、大化改新の主人公・中臣鎌足は岡田准一、大仏開眼は主人公が吉備真備で、吉岡秀隆がやっており、のちの孝謙・称徳天皇の役で石原さとみが出てます。 なぜか大仏開眼だけ、いまNHKオンデマンドで見られます。池端俊策脚本なので、「麒麟がくる」の関連作品としてアップされたものと思います。そうしてみると、吉備真備(吉岡秀隆)が光秀、藤原仲麻呂(高橋克典)が信長、阿倍内親王(石原さとみ)が帰蝶、みたいなポジションですね、ざっくり言えば。なかなか骨太な、いいドラマですよ。うん。 いずれも「一時間半×2」という尺です。どれも、この分量でちょうどいい、という感じです。これを一年間の大河に引き延ばすってのは、かなりの工夫が要りそうですね、素材的にいっても。 「聖徳太子」「大化改新」「大仏開眼」は、どれも古代の天皇家のスキャンダルをバリバリに描いている、超冒険的な作品と言えます。これができるなら、天皇家のスキャンダルというのは、絶対的なタブーではない、ように見えますが。 春日太一著「大河ドラマの黄金時代」(NHK出版新書 647)には、大河の誕生から「太平記」までの大河の制作裏話が分かります。 何故「太平記」までかというと、このあとNHKエンタープライズに制作が移ったりして、性格が商業寄りに変質したから、っていうのがあるらしい。 これによると、やっぱり「太平記」をやるのは「長年の夢」「冒険企画」だったうようで。 キャスティングにはものすごい気を使ったという話とか、それでも右翼の批判が殺到して大変だったとか、なるほどやっぱりそうか、って話が結構出てます。 天皇家スキャンダルが絡むドラマは、絶対無理ではないけど、やはりハードルが高い冒険になるようです。 NHK大河はこのあとも「平清盛」を作って天皇・上皇たち「王家」のスキャンダルを真正面から取り上げたりしてます。 大河の制作陣というのは、けっこう冒険が好きで、毎回、なんらかのタブーに挑戦してる、と言えます。まあ気に入らない人には何でも気に入らないんですけど。 当時の天皇家を「王家」と言って批判されたのは記憶に新しいですが。時代考証的にいえば王家で正しいんです。当時、一般には誰も天皇なんて呼んでません、ミカドとかオカミとか主上とかは言ってたでしょうけど。だから「天皇家」とか「皇室」とか、ナレーションならともかく登場人物が言ったらヘンなんですよ。「王家」で正しいんです。 しかし、こういう正論は、いわゆる保守な人、右な人たちにはなかなか通用しない、ってのは現実にそうですね。 聖徳太子、乙巳の変から大化改新、壬申の乱、このあたりの題材は、関西ローカルなら成立するけど、本チャンの大河になるのは、はやはり厳しいでしょう。
4人がナイス!しています