ゾンビ映画にも色々あって、リアル路線（表現もストーリーも）もあればコメディ路線もあるし、ゴア描写やエグいシーンメインもあれば逃走やドラマにスポットを当てたものもあったり。 くだらないB級C級もあるのは事実ですけど、一括りにするのはどうかと思います。 言い出したら自分が見ないジャンルは全部くだらないとも言えますしね。 ゾンビ映画は、基本、『極限状況でいかに生き抜くか』『家族や身近な人（一緒に逃げてた人とかも含め）がゾンビになってしまった時に倒すかどうか迷う葛藤』『限定的な環境内での人間ドラマ』なんかが見所なんじゃないかなーと思います。現実にはあり得ないシチュエーションなだけに、人間の素の部分や本性が出てしまうというか。 この辺が描かれてないと、「ただゾンビが襲ってるだけ」「ゾンビ退治のアクション映画」になってしまう気がしますね。 『ゾンビ』では4人の生存者中心で話が進みますが、それぞれのドラマ性が非常に高い作品。ラストの「残ると決意したけど、迷いが生じ、やっぱり逃げる」と葛藤し決断するところなんかは名シーンだと思いますね。 『DAWN OF THE DEAD』は『ゾンビ』のリメイクですが、こちらは登場人物が多く、徹底して抵抗する者、悲観的な者、排他的な考えの者、ゾンビ狩りを楽しむ者、理性的な者、妄信的な者等々、極限状況故に様々なパターンのキャラクターがいて群像劇とも言えます。ひとそれぞれだな、と。 ゾンビ映画って割とニッチに見られるジャンルだと思いますけどね。 どんな結末であっても、純粋にハッピーエンドだの感動だのは殆ど無いですし。 それは否定しません。 でも、ゾンビ映画でしか描けない人間ドラマはあると思うんですね。 そういう見方もありなんじゃないかなと思います。