欧州から 北米大陸に移住してきた 白人プロテスタント達は、 最初の頃 死ぬところだったのを、地元のネイティブ・アメリカン達に助けてもらって 何とか生き延びたのに、
欧州から 北米大陸に移住してきた 白人プロテスタント達は、 最初の頃 死ぬところだったのを、地元のネイティブ・アメリカン達に助けてもらって 何とか生き延びたのに、 恩を仇で返して、ネイティブ・アメリカン達を掃討したのはなぜですか? 牧師が 神様が助けてくれたことにしたから? 人間 ナメられたらお終い ということ?
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キリスト教では「この世界のものはすべて人間が利用するべく神が与えてくだされたもの」という考えです。 「産めよ、増えよ、地に満ちて地 を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ」(創世記1・28)という聖書の一節もあります。 プロテスタントにとってアメリカ大陸はいわば「約束の地」です。 その「約束の地」を有効活用しないで、バッファローなどを追ってまばらに暮らし、神に感謝の祈りも捧げないインディアンは、善悪二元論から言えばそれだけで「悪」と言っていい存在になります。 以下引用です--- 「絶対的他者」にはプロテスタンティズムの善悪二元論、つまり、キリスト教的善を自ら装い、インディアンと遭遇する以前からインディアンを悪としていることは明らかである。 ニューイングランドに植民したピューリタンたちは、新大陸に住み土地の所有者になることを望んだ。彼らが総じて貪欲な征服者たりえたのは、神からこの地を与えられていると信じたからである。 彼らの狂信的な宗教観と貪欲な性格は、大地を憎悪と戦いの渦のなかへと巻き込んでいった。 土地を囲い込み所有する概念もなく、畑を耕す術も知らないインディアンが駆け回っていた新大陸の土地を自らのものにすることは、ピューリタンや彼らに続くヨーロッパ人にとって、天与の使命そのものだった。 ピューリタンは旧約聖書を好み説教などに多く引用された。旧約聖書によれば、ヤハウェの神に選ばれた「契約の民」とされる古代イスラエル民族は、紀元前13世紀頃エジプト王国で奴隷状態に置かれていたが、神の召命を受けた指導者モーゼに率いられてエジプトを脱出し、40年間荒野をさまよった後に、 「約束の地」カナンに到着し、当時すでにそこに住んでいたカナン人を武力で全滅させて定住したと言われている。 旧約聖書を通じて示される神の計画の最終目標は、平和の達成だが、この平和の達成はまさに、戦いの代価を払って獲得される勝利の上に築かれるものである。このため、とくに旧約聖書では、ヤハウェの神が「戦う神」「万軍の主」として表現される場合が多く、古代イスラエル民族に対し、しばしば戦いにひるまないように激励している。 16~17世紀にアメリカ大陸に移住して植民地の建設を進めたピューリタンの指導者たちは、自分たちの運命を古代イスラエル民族の出エジプトやカナン定住と重ね合わせて考えた。 同様に、先住民たちをキリスト教に改宗しようという試みが成功しないことがわかると、古代イスラエル民族がカナン人に対して行ったように、武力制圧に転じ先住民の排除を行い、しかも、神から与えられた使命であると主張したのである。 その後も、旧約聖書の出エジプトの記述は、先住民ばかりではなく他国民にも当てはめられ、キリスト教とそれに基づく諸価値を世界に広めるために神に選ばれたアメリカの戦争は、無条件・積極的に肯定され、アメリカの版図拡大を正当化する拠り所となった。 --引用おわり 引用元 アメリカ宗教思想の特異性 -善悪二元論の起源と展開- 尾曲巧 pdf https://core.ac.uk/download/pdf/230746915.pdf
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質問者からのお礼コメント
お二人 とも たいへん詳しくありがとうございました。 とても勉強になりました。
お礼日時:7/5 9:44