「5・3・2の法則」というのは、半分以上嘘です。
昔、オーディオブームの頃に、オーディオ機器の買い方を知らないし真剣に機器選択をする気もないといったブームに乗っただけの素人向けに、とりあえずそんな配分で買っておけば大きな失敗はないだろうという意味で言われていた話で、ベストな音が出る組み合わせではありません。
例えば、スピーカーによってアンプに要求される負荷が高いものも低いものもありますから、高いアンプでないとまともに鳴らないものもありますし、そこそこの値段のアンプでもそれなりに鳴ってくれるものもあります。
それをひとまとめに「5・3・2」でくくれるわけもありません。
また、最近は安いデジタルアンプがたくさんありますが、1~2万円以下のデジタルアンプは根本的に音が良くありません。
解像度が高いだけで音圧の変化が乏しく、何を聴いても一本調子になります。
このあたり、DACなどについても言えることですね。
結局は数万超の価格帯でないとまともな音が出ないので、そういうものを選ぶと、自然に「5・3・2」から外れてしまいます。
だから、「5・3・2」は参考にしつつも、それにとらわれることなく、まずはスピーカを起点にそれに合う音の組み合わせを考えて、アンプやプレーヤー/DACなどに過剰に(単品価格でスピーカー価格を超えるような)お金をかけなければ問題ありません。
まあ、しかし、安いデジアンやUSB DACなどは、まとめて試聴させてくれるお店もないですから、そういう機器の音の差異が知りたければ自分で買って試すしかありません。
私も買って聴いてはネットオークション・フリマで売るようなことを繰り返して好みの機器を集めました。
かなり面倒な話ではあります。