ベストアンサー
「力ばあさま」 放送回:0373-B 放送日:1982年12月25日(昭和57年12月25日) 演出:芝山努 文芸:沖島勲 美術:門野真理子 作画:佐藤真人・洞沢由美子 (長野県) あらすじ 昔、長野は佐久の内山(うちやま)に、物凄く力持ちの婆さまが住んでいた。その怪力ぶりと言ったら、山で木を切れば、木の切り株を素手で掘り起こしてしまう程。 この婆さま、怪力の持ち主と言うだけではなく、気立てが良いので、村の皆からたいそう慕われていた。ある時など、米俵を積んだ馬が川に落ちて、村の者から助けを求められた。婆さまは川に入ると、米俵をポンポーンと軽く放り上げ、最後には馬を担いで川から上がって来てしまうのだった。 さて、そんなある年の年の瀬。お正月も近づき、村の家々では餅つきが始まった。婆さまの家でも、餅をつけない人に代わって、婆さまが餅をついていた。ところが怪力の婆さまのこと、婆さまが杵(きね)で餅をつく音は地の底の地獄まで響いた。 その音を聞いた鬼の総大将は、手下の鬼どもを集めて、地上から餅をくすねて来るよう命じる。この年は地獄に来る亡者が少なく、地獄では正月の餅が不足していたのだ。そして婆さまのいる村には、地獄でも一番の力持ち、万力(まんりき)という名の鬼がやって来た。 万力は村の家々を回っては餅を脅し取り、とうとう最後に婆さまの家に来た。鬼などに餅をやりたくない婆さま、何食わぬ顔で「もち米が不作で餅はついてない。」と言う。一方の万力も、どうにか餅を奪おうと「ワシの餅をやるから手を出せ。」と言う。 婆さまが窓から手を出すと、万力はすかさず婆さまの手を取り、「腕を抜かれたくなければ餅を出せ!」と脅す。「ワシと力比べをしたいと言うんか?」婆さまは思い切り万力の腕を引いた。こうして窓越しに、婆さまと万力の力比べが始まった。勝負はなかなかつかなかったが、最後は婆さまが万力の腕を抜けんばかりに引き、万力は泣きながら許しを乞う。 婆さまは、万力に二度と悪さをしないと誓わせ、手を放した。万力は奪った餅を村人に返し、ほうほうの体で逃げて行く。ところが、婆さまがあんまり強く腕を引いたものだから、途中で左腕が抜け落ちてしまった。平賀の村はずれの落手場(おってば)という所が、鬼の腕が落ちた場所だと伝えられている。 「仁王とどっこい」 放送回:0069-B 放送日:1977年01月29日(昭和52年01月29日) 演出:樋口雅一 文芸:沖島勲 美術:樋口雅一(青木稔) 作画:樋口雅一 ( 青森県 ) あらすじ 昔、仁王というすばらしい力持ちがいました。仁王は、ずっと遠い唐の国に「どっこい」という力持ちがいると聞き、力比べをしようとはるばる舟に乗って唐へ向かいました。 どっこいの家には、おばあさんがひとり、留守番をしていました。「どっこいはいるかな。日本一の仁王さまが力比ベにきたといってくれ」と、仁王は大声でいいました。すると、おばあさんは、「今、じきに帰ってくるでな、少し待っててくれろ」と、笑って仁王に答えました。その間、野次馬が集まってきて色々と噂をしています。 仁王が聴いていると、「お前よりも体が大きい力自慢がやってきたが、どっこいに四肢を引きちぎられて、海に放り込まれてしまったよ」という話でした。やがて、遠くからどっこいがもどってくる地ひびきのような足音が聞こえてきました。 仁王は、怖くなって逃げ出しました。ところが、どっこいは長い鎖のついた大きなイカリをかついで追いかけていきました。仁王は、大急ぎで舟をこぎ出し沖に出ましたが、どっこいが投げたイカリが舟につきささってしまいました。 長い鎖でつながれた仁王の舟は、どっこいの手に引っぱりこまれそうです。そのとき、ハッと、日本の国を出るときに、八幡さまからもらったヤスリを持っていたことを思い出しました。 仁王が、鎖をヤスリでこすると、鎖はプッツリと切れました。とたんに、力いっぱい引っぱっていたどっこいは、ズデーンと海の中にしりもちをつきました。どっこいは、切れた鎖を見て「なんという怪力だ。おらでもこの鎖は切れないのに。勝負しなくてよかった」と驚きました。 それからです。重い物を持つときに、唐の国では「におう」とかけ声をかけ、日本では「どっこいしょ」というようになったのは。
質問者からのお礼コメント
みなさん答えてくださりありがとうございました! どれも選べないので、一番長文の方を選ばせていただきました。 手間暇かけてくださりありがとうございました。 この質問が、誰かのためになれるといいです(・∀・)
お礼日時:7/5 18:07