農家の人に限らず、皇族や貴族の人さえ、今のような入浴の習慣はないので、香料を炊いて体臭などを消していた(というより紛らわしていた)ので、貴重な香料を使えない庶民は結構キツい体臭を持っていたと思われます。
ただ、暖かい季節には湯浴みという、川や泉で体を清めることは出来たでしょうから、垢塗れというようなヒドいことはなかったでしょう。
ちなみに、神社はどんな田舎の村にも必ずあり、神社は海や湖、川の近くに作られる事が多く、そこで斎の水で体を濯ぎ、裳(も)と呼ばれる下着(男は六尺褌、女は腰巻き状のもの)をつけただけの姿で、日没後にお参りをしていた。
山の中などには近くに水源の無い場所もあるので、通り井(とほりゐ)という体を清める設備があり、そこで体を清めることが出来た。この通り井が鳥居の起源です。元々は建物のような構造だったものが、簡素化されています。その代わり、大昔は社殿がなかった。その神域全体が神社、つまり神の住まう領域だったわけです。神社に社殿が出来たのは、仏教渡来後、その影響を受けてからです。
だから、昔の人は現代人が考えるほど、不潔だったわけではありません。銭湯が出来たのは江戸時代以降のことです。