借地借家法上の造作物(第33条)は、民法第196条第2項の有益費に含まれますか。また、その占有の明渡しと同時履行の関係になりますか。

借地借家法上の造作物(第33条)は、民法第196条第2項の有益費に含まれますか。また、その占有の明渡しと同時履行の関係になりますか。

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(1)借地借家法上の造作物(第33条)は、民法196条2項の有益費には、含まれません。 建物という不動産の構成部分を成す柱や壁、床や天井、屋根や窓・扉を老朽修理等のため借家人が建物に取り付けた場合は、建物(不動産)に吸収されて建物の構成部分となり、これら建物動産所有権は消滅する(民法第242条本文)から、このような物についての利益の償還は、民法608条2項によって図られる事になります。 これに対し、「建物の構成部分ではないが、建物に付加されて建物の便益に供される物」=「造作」については、民法242条但書により借家人の所有権は失われず、従って建物賃貸借終了時には、造作物を撤収し搬出されるべきかが問題となるのです。 しかし、造作はそれが建物に付加されることによって建物の便益(=建物の効用や利便性)を高めているものであるので、これを撤去する事は、折角その造作によって建物が有している便益を失わせることになると同時に、賃借人が造り付けた社会的に有用な器材を破壊または毀損するという結果を伴い、さらには、その撤去費用という無駄な出費を賃借人に強いることになります。 そこで、借地借家法は、このような不合理な結果を避け社会的に有用な造作とその備置に伴う建物の便益を維持するために、それら造作を時価をもって賃貸建物の所有者に対し買い取るべきことを、建物賃借人の請求権として認めているのです。 (なお、旧・借家法では、造作買取請求権は強行規定でしたが(旧・借家法(5条・6条)、借地借家法では任意規定となっています。〔借地借家法37条は、33条を対象としていません。〕) (2)最高裁判例昭和29年07月22日(民集第8巻7号1425頁)は、造作代金債権は「造作に関して生じた債権」であって「建物に関して生じた債権」ではないので、造作買取を請求した借家人は、造作代金の提供が無い事を理由として、同時履行の抗弁によって建物の明渡しを拒む事は出来ないとしています。

ThanksImg質問者からのお礼コメント

いつもわかりやすいご解説ありがとうございます。本当に恐れ入ります。

お礼日時:2010/8/25 23:17