1945年以前の明朝体の活字はおおむね参考画像右、赤枠囲みの形でした。 クサカンムリは、楷書体は[十十]または[┤├]でしたが(参考画像左中・下)、明朝体は現在と同じで、画数は４画に数えるのが暗黙の了解でした。 中国も同じ。下記サイト[字源字形]の「旧字形」「韓国明朝体」の字形です。 戦後、『大漢和辭典』『新字源』などが、写真植字により作字が容易になったお蔭で、本来かくあるべきだという字体を「正字」としてこしらえました。 「夢」のてっぺんにあるのはクサカンムリではないからと「┤├」の形の字をこしらえました。 この字は「正字」ではあっても「旧字体」ではありません。 1945年以前の書籍等に使われていた活字の字体は今と同じでしたから。 参考画像右の「大阪毎日新聞」の見出しはは下記より。 見易いようにゴミは消しましたが、文字はいじっていません。 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentView.jsp?METAID=10028622&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1 クサカンムリの下左のフナヅキも多くの場合、ニクヅキと同形になっていましたが、上で触れた「旧字形」のように本来のフナヅキにしているものもありました(参考画像左上の形)。 お尋ねの部分はすべて「ハの字」でした。 手書きや楷書体活字では、当然「逆ハの字」でしたが、明朝体活字は「ハの字」でした。 なぜならわざわざ「逆ハの字」形の活字を作る理由がなかったのです。