のれんの定期償却及び減損についての質問です。
のれんの定期償却及び減損についての質問です。 現在J-GAAPではのれんの定期償却が義務付けられており、日本版IFRSにおいてものれんの会計処理においてはエンドースメントが行われ、定期償却する会計処理が残っていますが IFRSに従ってのれんを減損するのみでは実態が会計情報に反映されないのでしょうか? また、これは製造業が盛んな日本と金融市場が活発な英米との違いによって説明できるのでしょうか? 回答よろしくお願いします。参考になるような文献なども紹介していただければ嬉しいです。
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ベストアンサー
回答するわ。 お尋ねの方の?は、ASBJの「のれんの償却に関する日本とIFRSの考え方の差異について」の答申から、参照できます。 >https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/press_release/domestic/sme21/sme21.pdf#search='%E3%81%AE%E3%82%8C%E3%82%93+%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%87%A6%E7%90%86IFRS+%E9%9D%9E%E5%84%9F%E5%8D%B4%E8%B3%87%E7%94%A3' ①日本基準:取得後、20年間において「均等償却」する。 ②IFRS:「のれん」原則「償却」しない。ただし「のれん」から生じる「超過収益力」について、実際に当初の「事業計画」通り、予想利益が発生しているか、発生していない場合「(減損テストを行なって)のれんの『減損会計』を適用する」となっています。 このIFRS方式を採用した場合、「のれん償却前利益」と「のれん償却後利益」の2つをP/L段階利益に表示する考えが、IFRSではあるようです。 考え方の違いは、IFRSでは、やはり「金融ショック等あれば、当初の想定をはるかに上回る「減損損失発生」と記載」されていて、この点、お尋ねの方の想定されている「業種/業態」格差が日本と欧米(=金融市場が、活発)という見解が示されています。日本では、”規則的償却”の考えは、製造業が多いのであること、欧米では、「金融ショック」あれば、「減損テストを行なって(=一つの”ストレステスト”です。)収益力の変化を見る、という財務諸表読者への理解度が正しいというものです。この点、日本と欧米では、「のれん」について、まだまだ考え方の差異があります。 (この点、上記ASBJの答申33.以降に、「調整の困難さ」が記載されています。) 日本では、この「減損テスト」がまだ未定着である、という事情もあります。ストレステストを行なっている日本の会社は、「金融機関」ぐらいです。それも「金融庁「金融検査マニュアル」で「信用」「市場」カテで行なうだけで、「のれん」について”ストレステスト”を行なう慣行は、まだまだだということです。 (なお、日本でも「のれんへのストレステスト導入」は近年議論が盛んにおこなわれています。オリンパス事件以降です。そのため、「IFRS並基準」を導入しようとする端緒は、比較的最近のことです。) ただ、IFRS導入後は、「ストレステスト」の全貌を注記することになりますので、「会計情報」に「のれん」の現在価値はいくらか、詳細に記載されることになります。まだ数年先に、なるでしょうが、IFRS強制適用後は、「のれんのストレステスト」注記事項が、相当にぎやかになります。 さんこーにしてね!
質問者からのお礼コメント
大変わかりやすかったです!様々な企業慣行を一つの会計基準にまとめるのは難しいですよね(^^;;勉強になりました!
お礼日時:2014/10/15 8:20