ガラスレンズにはかなり高い屈折率の製品があります。
普通の屈折率のレンズはクラウンガラスと呼ばれ、高屈折率レンズをフリントガラスと言います。
ガラスの屈折率を上げるため、製造過程で混ぜ物をします。
例えば鉛のようなものです。
このお陰でレンズは薄くなりますが、比重が上がり「重く」なります。
しかし、薄くなる分が相殺されますから、使えないほどの重さではありません。
(小さなフレームにされることで更に軽くなります)
同じ理由でレンズの反射が強くなり、光の透過率も下がります。
でも、ガラスと反射防止コートの密着度が高いので、殆ど影響ありません。
理由は、基材とコーティングが共に無機質だからです。
プラスチックは有機質の基材へ無機質のコーティングを施すため、3年弱で剥離します。
ガラスのコートは呆れるほど剥げません。
私のメガネはもう15年経過していますが、疵一つありません。
見え方では、ガラスの方が数倍も良いです。
理由は、粒子が整然と並んでいるからです。
粒子がきちんと並んでいるから割れるのです。
私もガラスレンズですが、メガネをかけて入浴しても湯でレンズが傷んだりしません。
石鹸でレンズを洗っても平気です。
(プラスチックレンズは化粧石鹸などで洗うとコートを酷く痛めます)
少年少女時代のような乱暴な動きをしませんから、ガラス破損の心配も僅かです。
しかし、歳と共に注意力が散漫になりますから、うっかり踏んだとかお尻に敷いちゃったなども起こり得ます。ご年配の方は要注意です。
最近はガラスへ戻る方が増えました。
しかし、ガラスレンズは、縁無しフレーム(ツーポイント)や、レンズをナイロン糸で吊る方式のフレーム(ナイロール)はできません。
レンズカラーも限られています。
ブラウン・ネオ(ブルー)・ピンクサイト・グリーン・スモーク(グレー)程度です。
境目のない遠近両用のガラスバージョンもあります。
ガラスにも調光レンズがあります。
ガラスにハロゲン化銀が混入されていて、光で酸化と還元を繰り返します。
元に戻り難くなったら一晩、冷蔵庫で休ませましょう。
おっと、書き漏らす所でした。
ガラスレンズとチタンフレームは相性が良くありません。
理由は、レンズもチタンも切り欠き感度が高い素材だからです。
チタンは折れ易く、レンズは割れ易くなります。
(これはあまり知られていません。「ガラスは重いから軽量のチタンフレーム」と思いがちですが、思いもよらない破断が起こったりします)
相性が良いのはセルフレームがトップで、メタルならニッケル合金製が良いでしょう。
メガネをご調製されるアドバイスになりましたでしょうか?