「アンタッチャブル」は、1930年代に財務省捜査官エリオット・ネスが、実際にアル・カポネを逮捕した実話を自ら執筆した、ノンフィクションを基にした作品。
1950年代にロバート・スタック主演でテレビ・ドラマ化され、大評判になりました。
87年の映画は、デ・パルマ監督が製作者から、「原作にもテレビ・ドラマにもこだわらなくともいい」と言われて、デーヴィット・マメットのオリジナル脚本によって映画化したものです。
ですから映画は、ネスとカポネ、”ロアリング・トェンティ”と呼ばれた禁酒法時代という部分を除けば、映画の創作です。
原作と比較してみると、面白いですよ。
例えばエリオット・ネスは、実は捜査中は恋人はいましたが、独身でした。(カポネ逮捕後、結婚)
また、映画では”アンタッチャブル”のメンバーをシカゴで集めていますが、実際は気心の知れた財務省の同僚を呼んでいました。またメンバーも4人ではなく11人です。
カポネ逮捕は映画と同じく、実際に脱税容疑。殺人、禁酒法違反等の証拠がつかめず、帳簿の穴を見つけての立件でした。映画のオスカー・ウォレスのモデルに当たる人物が、それを見つけたのです。
前述したように、アンタッチャブルの真実のメンバーは、財務省の役人なので、だからこそ会計処理を見抜くことが出来たんですね。
原作は早川NV文庫から翻訳されています。昔から、ノンフィクションの傑作といわれ、多くの人に愛読された名作です。