小説を書きました いかがですか 村田宗久は弘前大学医学部三年生である。 地...

小説を書きました
いかがですか

村田宗久は弘前大学医学部三年生である。
地元の青森高校を一番で卒業した。
担任の教師は東京大学医学部に進ませたかったが、村田宗久は東京が嫌いだった

。
なぜなら、三橋美智也の夕焼けとんびが好きだったからである。
https://www.youtube.com/watch?v=jthat3BTxxs&feature=youtube_gdata_p...
弘前にNHKのど自慢大会が来たときは自分でも夕焼けとんびを歌ったが落選した。
歌は下手だったのである。
彼は青森でやがて小児科医師になるつもりであった。
そして三年となり、いよいよ解剖が始まった。
一年と二年は教養課程で医学部の授業はなかった。
ちなみに今は一年から医学部の授業を受けさせる大学が多い。しかし、時代は1950年代後半である。
村田宗久は自分が石に向いていないことを即座に悟った。
血を見ると気絶してしまうからである。
村田は医学部を中退した。
しかし、その決断をするまでは大いに迷ったものである。
青森県で有名な霊場である恐山に行き、イタコたちに混じり、座禅を組んだ。
村田宗久は麻野八時から夕方の六時まで昼食をとらずに座禅を組んだ。
それが3ヶ月続いた。
村田は体重を15キロ落とした。
もともと70キロの巨漢であったが、55キロのスリムな男になり、登場流行り始めたジーパンがよく似合った。
やがて、村田は決然として悟った。
医師として人の命を救えないのであれば、人の死に対して救いを与える坊主になろう。
村田宗久は恐山町立図書館に行き、そこで暁烏敏(あけがらす・はや)の書いた 歎異抄講話を借りて読んだ。
そして、京都に行き駒沢大学仏教学部の学生となった。
弘前大学医学部を中退して駒沢大学に入った男は村田が初めてであった。
そこで大学側は学生運動の尖兵として村田が入ったのではないかと最初警戒したが、すぐに警戒は解けた。
村田の笑顔は学生運動の闘士の持つ殺気とは無縁だったからである。
卒業する時期が近づくと学長が村田を呼んで行った。
『これからどうする』
『私は行くべき寺がないので托鉢して修行僧として暮らします』
『私の知っているお寺に養子として入らないか』
『私にとって先生のお言葉は仏様の言葉と同じです』
こうして小樽にあるポンポコ寺の和尚となった村田宗久がその後どのような活躍をすることになったか読者はすでにご存知であろう。

おしまい

補足村田宗久のその後

『長兵衛』https://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q14177341319

(初出 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q101771919...

『長兵衛』スピンアウト『緑色のカフスボタンをした男と私』https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q121773758...