観測対象の銀河の位置が仮に地球から130億光年先だったとすると、その光は発せられてから130億年かけて我々に届いている、という点はよろしいですよね。
では、その光がなぜ130億年かかって届いたとわかるのか、というのがご質問の趣旨だと思います。
これは、宇宙の膨張が一般相対論に基づくΛーCDMモデルというモデルに従って、ビッグバン以降膨張している、という前提に立っています。
その膨張のモデルに従えば、天体から発せられた光が時間の経過とともにどれだけ波長が引き伸ばされるかが分かります。そこで、受け取った光の波長がどれだけ引き伸ばされているか分かれば、逆にいまからどれほど過去に発せられた光であるかが分かります。
波長がどれだけ引き伸ばされているかは、対象の天体の吸収線の波長で確認します。銀河の発する光のスペクトルは、銀河中に存在する水素原子などによってその原子特有の波長で吸収が生じ吸収線(暗線)となります。その波長は物質によって決まっていますから、受け取ったスペクトル中の吸収線の波長がずれていれば、その光がどれだけ引き伸ばされたかが判ります。
130億光年先の銀河の場合、例えば観測によって得られた銀河のスペクトルの波長λ=4986nmの赤外域に吸収線が観測され、それが周囲の吸収線との関係から、本来λo=656nmのHαの吸収線であることが分かったとすると、赤方偏移zの値は、
z=(λーλo)/λo
なので、
z=(4986-656)/656≒6.6
とります。
赤方偏移6.6は、ΛーCDMモデルから130億年となりますので、この銀河からの光は130億光年の道のりを旅してきた光だとわかります。
これまでのことろ、Λ-CDMモデルはその他の観測事象ともよく整合していますが、将来、このモデルに合わない事実や観測結果がもたらされた場合、現在得られている遠方の天体までの距離は見直しを迫られる可能性もあります。