そのペットショップの名誉を棄損することは私も言いたくないので、あくまで一般的なペットショップで、という条件で回答します。売れ残りとなるボーダーラインは犬猫とも生後6か月です。それ以上経ってしまった犬猫は良くも悪くも”自我”が芽生えはじめますので、買い手（飼い主）に順応しない個体が増え始めます。また、一般的なペットショップは繁殖業者からの委託販売をしているだけなので、生後6か月が経過した時点で、繁殖業者に戻すことが通例です。もちろん、繁殖業者とて生後6か月が経過した犬猫を戻されたところで、措置に困ってしまいます。そこで、生後4か月くらいからペットショップは繁殖業者に指値の引き下げを交渉します。繁殖業者が指値の引き下げに同意すれば、犬猫の販売価格は値下げということになり、買ってくれる客は見つかりやすくなります。質問主さんが言われている「値段の引き下げ」はこのような意味で捉えていただくと理解が早まると思います。ペットショップも繁殖業者も、生後4か月経過後からの値付けについては経験則がありますので、なるべく高値で売りたい値段と、客が支出してくれる値段の”落としどころ”はそれなりに確かなものがあります。買い手が見つからずに処分されてしまうことについてですが、いま現在ペットショップのショーケースに陳列されている犬猫の全体が10だとすると、買い手が正規の値段で見つかるのは3から4、値段の引き下げをして買い手が見つかるのも3、繁殖業者に戻されるのは3くらいではないでしょうか。売れ残った犬猫が最終的にどうなるのかについては繁殖業者のみぞ知るといったところですが、スーパーの見切り品のように値段をディスカウントしてまで売ろうとする業者もあれば、値段を下げてまでは売りたくないという業者もあって、一概には言い切れません。よくあるのは繁殖用の台雌・種雄として汚いケージのなかで死ぬまで子犬・子猫を産ませ続けられるというケースでしょうか。健康状態が悪い個体や繁殖に適さない個体は残念ながら”間引き”させられる可能性があります。行政も、違法（虐待など）だと分かれば臨検しますが、密室で犬猫が処分されてしまうともう分かりません。そして、闇に葬り去られた犬猫は、行政の統計資料にもカウントされず、「最初からいなかった」ことになってしまうのです。犬猫の譲渡会というものがありますが、それに倍する以上の数の犬猫が非常に残酷な形で命を落としてしまっている事実に、私たちは目をそらしてはならないでしょう。