野良犬について。最近はほとんど見かけないのですが、昔の日本には野良犬や野犬が沢山いたのでしょうか?
野良犬について。最近はほとんど見かけないのですが、昔の日本には野良犬や野犬が沢山いたのでしょうか?
ベストアンサー
昔のとある資料よりそれを推察できる2つの記述があります。長文ですが。 ◎昭和16年「東京の畜犬減少」より。 「まだ概算ではあるが今年度、警視庁管内の畜犬数は時局柄にも拘らず約2000頭の増加。野犬狩りの頭数も約2000頭の増加でそれだけ飼主のない野良犬が減って立派に税金を払っている畜犬が増加した訳である。 また11月におこなった野良犬や不用犬の買上げ数は1800余頭で昨年より100頭の減少になっているがこれは世間が好景気のため今までのように犬でも捕らえて日当にしようと言う不心得もの(※廃犬買上げ金目当てのペット泥棒)が少なくなったためと思われる。 なお、警視庁では現在の買上げ値、成犬40銭、子犬20銭は安過ぎるから今後は5割増しの成犬60銭、子犬三30銭に改正の議もある」 意外や意外、節米運動の後だというのにペットの数が増えていたという公的資料が出てきた。 国会議員や官僚が「犬は毛皮にしてしまえ」と主張し、これに同調した八王子警察署や名古屋の新聞もひっくるめて集中砲火を浴びていた頃の話。まだ愛犬家の勢力が強かった。 2年後の太平洋戦争突入と前後してペットの数は減少へ転じる。そのまま昭和19年の「畜犬供出運動」へ至り日本犬界は崩壊することになったのでした。 「警視庁獣医課で調べた今年6月現在の東京府下の畜犬数と昨年末とを比較すると次の通りで飼犬において約2000頭を減じ、飼い主も2000人以上減っており、反対に野犬捕獲数は約1000頭の増加となっている。 飼料難から飼犬を断念する人が増えて野犬がそれだけ多くなったと思われる」 ◎昭和12年「野良犬が増加」より。 警視庁の調査によると東京市内の畜犬は現在4万1746頭でうち4584頭というものはその飼養の目的が判然していない。 これは殆ど純粋でなく、従って良犬は少く、駄犬で多くは野良犬上りやお嬢さんから「私と思って可愛いがって飼ってちょうだい」と押しつけられたもの、犬類としては誠に不甲斐なき者。 哀れなのは流行を追う主人に飽きられて棄てられ野良犬に落ちたものが相当いることで、かかるる傾向は一昨年より昨年、昨年より今年と特に目立ってきた。 昭和12年といっても日中開戦前の記録。内地が平和だった時代にこの有様ですから食糧事情がひっ迫した戦争中期以降は悲惨な状態になっていた事でしょう。 以上です。
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誤字訂正 誤)子犬三30銭に改正の議もある 正)子犬30銭に改正の議もある 誤)かかるる傾向は一昨年 正)かかる傾向は一昨年
質問者からのお礼コメント
ご回答ありがとうございました。昔から社会問題だったのですね。ご回答に感謝いたします。
お礼日時:2020/12/2 5:46