環Aの部分集合IがAのイデアルであるとは
i)Iは加法に関して群である
ii)任意のa∊A、任意のx∊Iに対してax∊I
を満たすことです。
(1)
無理数を有理数倍してもたいていの場合は無理数になることを考えるとこれは偽です。反例は考えてみてください。ちなみに、体は自明なイデアルしか持たないことが知られています。
(2)イデアルの定義より明らかです。
加法に関して群であるのは定義よりわかります
乗法について閉じていることはa∊I⇒a∊Aであることとイデアルの定義を見比べればすぐに示せます。
(3)これは誤りです。例えば(1)が反例になるでしょう。
(4)Aを環,IをAの真のイデアルとして,剰余環A/Iを考えましょう。
(x+I)(y+I)=xy+I=yx+I
(y+I)(x+I)=yx+I=(x+I)(y+I)
となるので剰余環も可換環です。
(5)
有理数全体の集合は体であり、体は自明でないイデアルを持ちません。
したがって整数全体の集合は有理数体のイデアルになりません。