賃貸物件において、入居者はガス会社と直接交渉はできません。ガス料金は建物ごとの個別事情により異なるものですので、建物の所有者しか交渉権がありません。そこでまず、下記資源エネルギー庁発行の文章に基づいてガス料金の単価、特に標準価格と異なる根拠について文章をガス会社に請求してください。 「平成 09･03･17 資庁第１号」より抜粋 なお、例えば賃貸集合住宅等において、液化石油ガス販売事業者の費用負担により、給湯設備、空調設備その他の建物に付随する設備等を設置し、当該設備等の設置費用を液化石油ガスの料金に含めて一般消費者等に請求する場合には、「価格の算定方法」及び「算定の基礎となる項目」の中で明確に記載すること。ただし、液化石油ガス販売事業者が所有する消費設備を一般消費者等が利用する場合の費用については、第８号に基づき別途記載してもよい。 「給湯設備、空調設備その他の建物に付随する設備等を設置し、当該設備等の設置費用を液化石油ガスの料金に含めて一般消費者等に請求する場合」が該当する場合は、家主に対して「これらは家主の資産なのでガス代金に上乗せして請求しないようにガス会社と交渉し単価を下げてほしい。」と交渉することが唯一の方法と思います。代わりに家賃を上げる等の押し返しも考えられますが、ガス料金が上乗せされる理由の事前説明もなっかたと反論もできますが、事前説明までの義務はありません。ただ、ガス会社は2017年6月以降に契約した相手には上記の資源エネルギー庁からの通達に従い文章を発行する義務があります(これ以前なら義務はありません)。ガス会社が文章を発行していなくても大家に責任はないのですが、文章未発行の落ち度があることを交渉材料にすることはできると思います。あとはあなたの交渉力次第です。 ガス設備がガス料金に上乗せされているなら、本来大家が負担すべき費用の転嫁は否めませんが、そのおかげで家賃が今の賃料で済んでいるという事なのかもしれません。そう考えると必ずしもぼったくているわけではないので、交渉時の発言には充分注意しながら交渉を進めて下さい。