睡眠が疲労の回復に必要なものとすれば、身心の活動が大きいほど睡眠の深さと時間、すなわち睡眠の分量の多いことを必要とする。それに反して、身心の活動が少なければ、睡眠の分量も多くを必要としない。 重い病気にかかった子供を看病している母親は、夜もほとんど横にならず、ごく短時間の自然の熟睡によって長い日数の看護にも堪えられる。 昔から餓死ということは聞くが不眠死ということは聞いたことがない。何日もつづく強行軍のとき、兵隊は歩きながらでも眠るものです。 ナポレオンは睡眠時間が四時間ぐらいであったということは有名な話であり、エジソンは、発明に熱中するときには食事も一日に一度くらいしかとらず、三日ぐらいは不眠不休でやるのが普通であったという。