大戦中期では石炭を液化した合成石油がドイツの石油必要量の半分を占めていました
大戦中期の合成石油製造量は大戦緒戦のポーランド侵攻時のドイツ軍の全石油必要量に匹敵しており、大戦中期のドイツ軍は燃料不足になりませんでした
従ってノルマンディー上陸時のドイツ軍は燃料不足ではありませんでしたが
44年6月米戦略爆撃航空団は爆撃目標を合成石油製造工場及び鉄道網にシフトし、集中爆撃し、これがドイツの最大の敗因となりました
極端な燃料不足で前線の装甲部隊は勿論、訓練部隊も移動が厳しく
バルジの戦いでは連合軍の燃料集積所の確保を優先しています
またその影響で10月頃から連合軍の戦略爆撃機を迎撃するため飛び立つドイツ軍戦闘機が半減
合成石油の燃料の品質も度重なる爆撃により劣化したのです
ドイツは戦前からアウタルキー(自給自足)政策を推進し合成石油や合成ゴムの生産量を増大させていました
このようにドイツは合成石油により燃料必要量をある程度確保していたので日本のように天然石油生産地帯への侵攻はしなくても良かったのです
(ブラウ作戦は当時のソ連唯一の油田地帯のバクー油田を制圧ないしは破壊しソ連に使用させないのが目的であり
最前線で敵の攻撃を受けやすいこと、ただでさえ手一杯の鉄道補給線が逼迫することが必定のため、ドイツが使用することが出来ないことは事前に試算されヒトラーに報告されている)