刺さった矢を抜き取るとか、刀傷を縫い合わせる、病んだ手足を切り離す、膿んだ傷を切開して排膿させる、といった処置とか投薬には人体に関する知識のある彼らが不可欠でした。当時の医師というのは主に外科的な対症療法ができる人のことでした。
とくに古代ローマでは軍団付きの軍医が必要不可欠の存在だったと言います。驚いたことに大きな都市では眼科、歯科もあったようです。ポンペイ遺跡からは現代の外科器具と遜色ない精度の器具(ピンセットとか鋏、抜歯鉗子などなど)が出てきています。
時代が下るとかえって医学は後退し、中世では聖職者の方が先に呼ばれて手当(祈祷など)をして、治らないから医師が呼ばれるという順番だったようです。つまり、できることがない状態になってから呼ばれる。
また、この時代は古代と違って感染症が猛威を振るった時代で、医師にできることがあんまりないんです。でも、医師たちは現場に出ようとしますから、治せもしないのに・・となってしまいます。そういう時代が長いために、ご質問のような疑問が出るのだと思われます。