語り手がそう語っています
語り手は一貫して熊に好意を持ち、小十郎にも好意を持っていました
語り手は、熊や小十郎の生きる世界に好意的なのです
小十郎はそこで死んだ、だからそう語ったのでしょう
かりに、小十郎が家で死んだと想像して御覧なさい
家は貧しく、町の荒物屋への支払いや返済に心配しながら死んだと想像して御覧なさい
その場合、語り手は同じように語るでしょうか?
その比較が想像できればこの問いはもう問いではなくなります
語り手がこのように語るのは自明のことなのです
最後の語りの意味が解らないのは、小十郎の死を「熊に殺されて可哀想だ、家で死ねないで可哀想だ」などと感じるからではないのですか?
もしそうなら、この作品が全く読めていなかったという事です