論理学の問題です。 これを自然演繹の式で証明する方法を教えてください。(仮定を全て閉じる必要はありません)
論理学の問題です。 これを自然演繹の式で証明する方法を教えてください。(仮定を全て閉じる必要はありません)
ベストアンサー
まず P1,...Pn |- Q という演繹を示すには、 これを条件式に書き換えた論理式、 すなわち (P1∧...Pn)→Q がトートロジーである(ことが分かっている)ことが前提です。 しかし、 お示しの演繹を条件式に書き換えたもの、 すなわち (∀x(Px→Qx)∧∃x(Px→Rx))→∃x(Qx→Rx) はトートロジーではありません。 次のようなモデルを考えてみます。 U={a,b,c,d}(議論領域) P=∅ Q={a,b,c,d}(議論領域と等しい) R=∅ 前提1∀x(Px→Qx)は真です。 前提2∃x(Px→Rx)も真です。 前提2を書き換えると、∃x(¬Px∨Rx)、 つまり「PでないまたはRである、ことを満たすものが存在する」です。 「Rである」ことは、Rが今回は空集合のため、必ず偽です。 「Pでないこと」、すなわち¬Pは{a,b,c,d}というように空でないので、 前提2は成り立ちます。 他方、 結論は∃x(Qx→Rx)です。 これも書き換えると、 ∃x(¬Qx∨Rx)です。 「QでないまたはRである、ことを満たすものが存在する」です。 Rは先と同様、このモデルでは真になりようがありません。 その一方、 ¬Qは、Qが議論領域と等しいために、空集合です。 つまり、 結論の∃x(¬Qx∨Rx)自体、このモデルでは真になりようがありません。 つまり このモデルは (∀x(Px→Qx)∧∃x(Px→Rx))→∃x(Qx→Rx) に対する反例モデルとなってしまっています。 以上より、 お示しの演繹は成り立たないということになります。 ちなみに、 存在式の→をすべて∧に置き換えたもの 前提1:∀x(Px→Qx) 前提2:∃x(Px∧Rx) 結論:∃x(Qx∧Rx) は成り立ちます。 推論として妥当です。演繹となっています。 なぜなら Pが空でないときに前提1も2も真であるとすると、 Qはもちろん、Rも空ではありません。 PであるものはQでもあり(前提1)、 なおかつPとRには共通部分がある(前提2)ので、 QとRの共通部分も存在することになります。
言い忘れていましたが、 自然演繹などの公理系における「証明」とは、 前提から結論に至る過程を示すことです。 その際に、その公理系で用意されている推論規則が用いられます。 たとえば、 前提P, Qから結論Pを演繹するには、 「∧導入規則」と「∧除去規則」をそれぞれ1度だけ用いれば、演繹を示せます。 ですので、 P,Q |-P という導出の仮定が示せるのです。 このことの裏を返せば、 最初の回答でも申し上げた通り、 (P∧Q)→Pがトートロジーであるということです。 今回ご質問のものは、 前提1∀x(Px→Qx)および前提2∃x(Px→Rx)から、 結論として∃x(Qx→Rx)を 「演繹できない」 ということです。
質問者からのお礼コメント
ありがとうございます。
お礼日時:1/18 18:48