ID非公開さん
2022/1/20 22:38
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【至急】小6女子です。批評お願いします。8000文字くらいを予定している短編の起承転結の起です。
【至急】小6女子です。批評お願いします。8000文字くらいを予定している短編の起承転結の起です。 「まあ、そうだろうな……。」 中学入試当日の翌日。学校から帰ってきて合格通知がポストに投函されていることを確認した俺は、その薄い封筒を手に重い足取りで玄関に向かった。封筒が薄いからと言って不合格とは限らない――。聞いたことはある言葉だが、封筒の中身を見ずとも結果は俺自身が一番想像がつく。俺は家族に報告する前に封筒を破り、紙を引き出した。やはり――。わかっていたのに、想像できていたのに背負っているランドセルの重さが倍になったような感じがする。言いたく、ないな……。そんな思いが脳裏をかすめたが、余計なことを思い出して胸の中がぐちゃぐちゃになる前にさっさと報告を済ませていつもどおりの俺で過ごそうと思い、覚悟を決めて玄関の扉を開けた。ガチャリと音がして扉がゆっくりと閉まる。閉まったときから、カウントダウンが始まっているような妙な圧迫感があった。 「ただいま」 玄関先で声をあげると、パタパタと足音がして母が二階から降りてきた。てっきり一階にいると思っていたので突然の登場に若干焦った。ヤバ、心の準備できてねえ。 「どうだったの?」 俺の手に開封済みの封筒が握られていることを目ざとく見つけ母は言った。 「不合格、だった」 俺は、努めていつもと変わらない口調と同じようにさらりと言って退けた。試験会場を後にする時、いつもとは打って変わって無口だった俺の姿を目の当たりにしていたはずの母もこの結果は驚かないと予想していたのだが――。 「えっ えええええええーっ、ほ、本当に!」 母が耳をつんざくような叫び声を上げた。 「え、ちょっと待てそんなに驚く」 「おい。この神田家は、儂の代からT中に行っていたのだ。お前の兄も行っているんだぞ! 当然、儂らも合格通知を意気揚々と掲げてくると期待していたのだ。それなのに、そうも簡単に不合格だったよとはどの口が言う!」 いつから見ていたのか、祖父の姿が廊下の奥から見えた。 「あのねえ、あんたのためにお母さんどんだけ苦労したと思ってるのっ。塾の日はお弁当作ったり、資料を集めたりしたのよ。塾代だって年間百万以上もしたの。受験料は、受かるかどうかもわからないのに一万円も払ったわ。あなたなら合格してくれると思っていたからこそできたことなのに。あーあ、お金と時間の無駄だったわね。まったく、お兄ちゃんも行ってたし合格すると思っていたのに。」 その瞬間、俺の顔から表情が消えた。一重で吊り目で、しかも三白眼。人相の悪い俺の顔から表情が抜けた様は空気が底冷えするくらい冷たい。 お金と時間の、無駄。この一言は俺を一撃で打ちのめすに値した。俺にだって言い分はある。試験当日に散々プレッシャーかけてきたのは誰だ。なんだよ、俺が中学受験したのは代々同じ中学に行くためか。そんな反論が喉元まで出かかっていたがそれがすっと腹に逆戻りするような威力だ。鼻の奥がツンとして、母の言葉が頭の中で反芻される。お金と時間の、無駄。努力の無駄。学校を休んだ時間の無駄。友達と遊べなかった時間も、無駄。――今まで積み重ねてきた努力も、不合格という一言でぜーんぶ水の泡、か。そうだよな。いくら勉強してもどうせ受からなかったんだからな。兄貴と、父さんと同じ学校に行けなかったんだからな。 「そうだよな無駄だよな。どうせ、受からなかったんだからな」 俺は氷のような声で言い放った。さすがに言い過ぎたと思ったのか、母が慌てた顔をして口を開きかける。知るか。予想外の結果に台詞を用意できていなくてどうせ本音が飛び出したんだろう。床の木目がぼやける。一度深呼吸をして、俺は何も言わずに背を向ける。そして、真ん中の二段ベッドで兄と俺のスペースが分けられている二階の部屋への階段を一歩一歩踏みしめるようにして上り始めた。 (承に続く)
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ベストアンサー
基本的に文章は上手だと思います。ちょっと推敲不足に思えるので、もう少し推敲を重ねて完成度を上げた方が良いですかね。 まず小六の男の子の心理描写としては難しい言葉、ひねった表現を使いすぎている気がします。年相応の表現にすべきで、どうしてもこういう描写を使いたいのであれば三人称にすべきだと思いますね。 それと主人公の心理の自問自答が長すぎるところがありますので、もう少し整理した方が良いと思います。それと、あまり主人公の気持ちを台詞で言わない方が良いと思いますよ。読者の読み取る楽しさを奪うので、もう少し読者の解釈の曖昧さというか余地を残すべきでしょう。主人公の動作とか、ものの見え方とかそういう描写で間接的に感情を伝える表現も混ぜた方がいいと思いますね。 >学校から帰ってきて合格通知がポストに投函されている 合格通知ではなく入試の結果通知とした方が良いでしょうね。合格通知とは合格を通知するものです。 >「えっ えええええええーっ、ほ、本当に!」 漫画の台詞っぽいです。シリアスな場面には相応しくないと感じます。 その台詞なしで「母が耳をつんざくような叫び声を上げた。」でも問題ないんじゃないでしょうか。耳をつんざくはこういう場面の表現として相応しくないと思いますけど。 >「おい。この神田家は、~~~ 不合格だったよとはどの口が言う!」 いつから見ていたのか、祖父の姿が廊下の奥から見えた。 祖父の登場と、祖父の台詞ってここで必要ですかね。ここでは母が主人公の予想に反して主人公の努力を無駄と切り捨てたことを書く場面ですよね。祖父になじられるなら別の場面にして、ここは母と主人公のやりとりに絞った方が良いと感じます。家族全員から見下げられるというような場面にしたいなら中途半端です。 >その瞬間、俺の顔から表情が消えた。一重で吊り目で、しかも三白眼。人相の悪い俺の顔から表情が抜けた様は空気が底冷えするくらい冷たい。 自分の表情は自分からは見えません。主人公視点なのに、主人公の表情を外から見て表現するのはおかしいです。 全体的に上手ですが、ざっと読んだだけでも気になるところはありますね。冷静に推敲する癖がつけばもっと上手くなると思いますよ。
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質問者からのお礼コメント
表情のところは直しました。 推敲してみます。 皆様ご回答ありがとうございました。
お礼日時:1/23 21:30