中国というのは西欧が世界支配していたような時でも、超大国と言えるほどの力を持っていて、アヘン戦争語でも世界最大のGDPを持つ国であり、世界最大の政府財産を持つ超大国です。イギリスは植民地をすべて足しても、中国に勝つ見込みはありませんでした。
ナポレオンが征服先から外し、大英帝国が本気で恐れたのが中国です。2000年前から恐れられていました。イメージとしては、今のアメリカくらいです。アメリカが弱体化して影響力が下がったと言われても、さすがに現状で日本に負けるとは思えないでしょう。日清戦争は、今日日米が開戦して、1年後にはアメリカが敗戦してたくらいの衝撃でした。
日本は近代兵器とは言い難いような、中古品や小型艦だけを揃えて軍隊の数も中国の10分の1くらいでしたし、そもそも収入も財産も桁違いの差です。英仏連合軍が中国に対峙して勝てるかどうかわからない。と思われてたところ、日本ごときに完敗したので、夢は崩れますね。
アヘン戦争は英国が勝てない試合を、ズルして勝った戦いです。アヘン戦争当時も、英国政府は中国と戦争を回避しようとしましたが、東インド会社の現地支社が勝手に戦争を始めてしまって、「まじ!?どうしよう、負けるよそれ」とビビっていたのが英国政府です。
陸戦では英国は連敗に次ぐ連敗でした。まず遠隔地なので派兵できる数も違うし、清国はかなり近代的かつ強大な陸軍を持っていました。せっかく非合法にアヘン売れていたのに、現地の商人が勝手に戦争始めて、負けでもしたらどうするんじゃ!と英国政府は恐れていました。
英国の艦隊も木造艦ばかりで、大砲の射程くらいがアドバンテージ。あとは数も陸軍数もカネのちからも、圧倒的に清国有利でした。
そこで、英国は海賊行為を行ったのです。弱い無防備な村々に大砲を連射して、虐殺したあと清軍が来る前に海に引き上げるのです。大砲の射程だけ英国は勝っていて、それ以外のすべてのスペックで負けていたのですが、大砲の射程が長いということは海では一方的に戦えるというわけです。
英国正規軍は木造艦ばかりですが、東インド会社私兵軍は蒸気艦や新型兵器を多数勝手に整備して持っていたので、英国軍はこれに頼り切って、アヘン戦争は東インド会社と清の戦争になっていました。会社の私兵軍は国家の正規軍より強力な兵器を所有していたのです。
海を支配した英国は、沿岸の村々を焼き、清が来たら勝てないので速攻撤退する。という行為を繰り返します。英国はどこから上陸するかわからず、清は後手に回るしかなく、兵は振り回され疲弊していきます。
これを延々と繰り返し、清陸軍が大河の南に集中したすきに、風も無風も関係なく走行できる東インド会社の蒸気艦隊が河を封鎖し、清陸軍が皇帝城に戻れなくなりました。ここで無防備の首都北京の帝室に英国陸軍は押し入り、皇帝を人質にして交渉しました。
こうしてアヘン戦争は無防備の沿岸を焼き、戦いを避けて皇帝に銃口突きつけた英国の勝利になりました。国際法も道義もルールもすべて破り捨てて勝ったのです。
英国はこんな無残で卑劣な手でしか、清に勝てる要素は何一つなかったのがアヘン戦争です。その後のアロー戦争では英仏ほか西洋列強が事実上の同盟国として参戦し、半ば欧州VS中国でした。それでも海戦では西洋が敗北し、北京をなんとか占領して終わった戦争です。
日清戦争前夜、清は世界最大のGDPと人口と帝室財産を持つ国でした。艦隊は西洋列強を含めても最強レベル、陸軍の数は世界一、質は西洋と同等。日本は主力艦ゼロ、主力は補助艦の防護巡洋艦のみ、世界一の貧乏政府を抱えていました。勝てるわけがないですね。当時からしてなんで勝てたのか、誰も分かっていませんでした。