NHKドラマ:坂の上の雲を見ていて インディアンが少なくなった原因が 白人がアメリカに渡って来てから インディアンが白人に騙されて
NHKドラマ:坂の上の雲を見ていて インディアンが少なくなった原因が 白人がアメリカに渡って来てから インディアンが白人に騙されて (長文です) 白人が銃などの武器をインディアンに渡して それによってインディアン同士が対立して インディアンの数が減ったと言っていましたが・・・ ・対立させた原因、何に対して争いになったのでしょうか? ・アメリカ大陸に渡ってきた白人達はお金持ちだったのでしょうか? (なぜ、原住民より後から来たのに上に立てたのでしょうか?)
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基本的にドラマ「坂の上の雲」で語られた内容の事実関係は、一面的であり、包括的には間違いです。あのドラマのあのシーンは、黄色人種としての日本人の立場を強調したもので、歴史的事実を語ったのではなく、当時の偏った見方をするキャラクターの思考を表現したものにすぎません。歴史小説で誤解してならないのは、キャラクターはすべて正しいことをいうわけではなく、キャラはキャラの意見として誤った見解をときにセリフにします。当時の時代背景は、日本人が黄色人種のリーダーになるんだという意気込みがあったのであり、白人支配の打倒を夢見ているひとがいたわけです。しかし現実には、理想とは逆に、アジアの白人支配を日本人支配に変えるだけであり、アジアを解放する意図はなく、またその理想は実現しもしません。ご存じのように日本のアジア支配に極めて批判的な司馬遼太郎は、そのくらいのことはわかってますが、キャラとして当時の世相、あやまった見識、ゆがんだ理想論を語らせているわけです。だからあの回には、ミンピの殺害などの日本の帝国主義政策も含まれるわけです。「坂の上の雲」を読めばわかりますが、司馬は明治の理想を絶賛する一方で、そこに昭和の暗闇にいたる萌芽を見て嘆いています。作品の一部ではなく、全体をみないとここらへんはわかりません。 で、ドラマ外の事実関係ですが、ネイティブ・アメリカンは、多数の部族にわかれ、白人が入ってくる前から、それぞれ大なり小なり対立関係にありました。対立原因は、農地や猟場の奪い合いや、怨恨、食料収穫の不足を補うための略奪目的の争い、一部では奴隷や生け贄の獲得のための戦闘(生け贄が行われていたかどうかは議論がわかれるが、それを支持する学者もいる)などです。これは全人類が、原始社会からそれぞれの地域でもっていた普遍的なものであり、ネイティブ・アメリカンだけが例外などということはありえません。ネイティブ・アメリカンの諸部族は、かなり戦闘的なものが多く、恒常的・季節的に部族間で戦争をしていたというのが実際です。ほとんどが狩猟民族なのですから当然で、一部、食人の習慣もあったともいわれています。白人が入ってこなければ、平和だったなんてのは、まったくの虚構であり、人類史そのものに反しています。 ネイティブ・アメリカンは、白人の渡来によってもたらされた、疫病によって大きな人口の減少を経験します。また白人とネイティブ・アメリカンは、毛皮を酒や銃を交換する貿易を盛んに行って、西欧の物品を受け入れたため、交易を行う部族と行わない部族の間で、力関係が変化し、強勢になった部族が周辺部族を攻撃するようになりました。さらに前述の人口減少により、勢力の空白地域ができたこともこの争いを激化させます。さらに白人の入植で勢力圏から追われた部族の移動、または白人同士の戦争への傭兵参加などあって、人口はみるみるうちに減っていったのです。 渡来した白人は、最初は王などの後援者をもつグループが多く、フランスなどはネイティブ・アメリカン部族と同盟を結んだりして、交易の協定を結んでいました。大西洋を渡るのはあまり個人で簡単にできることではないので、個々人が金持ちではなくても、中心に出資者なりなんなりがいるのが普通です。銃や酒、布などは、西欧では比較的安価で、貴重な毛皮や工芸品などは、西欧では高く売れます。だから、白人は、情報に疎いネイティブ・アメリカンに、高値で売りつけて、毛皮などを安く買いたたき、暴利を得ていたというわけです。 白人が優位にたてた最大の理由は、前述の疫病のおかげです。抗体をもたない新種の病原菌に初めて接したネイティブ・アメリカンのあいだに大流行がおこり、人々は次々と亡くなりました。そして白人は次々と入植者がやってきて、大砲やら武器を所持していたために、砦や柵などをもうけて、気付いたときには、その優位は揺るがなくなった。数でも劣らなくなっていたというわけです。
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