> 未来形（厳密には未来形ではないですが） 回答はここにつきます。 （「未来形」というのはwillのことを指しているんですよね？willだとして話を進めますが） ご指摘のようにwillは未来形ではありません。現在形です。過去形はwould。 現在形:will「～だろう（と、今思う）」(現在の推量) 過去形:would「～だろう（と、過去に思った）」(過去の推量) そして、時制というのは、 ・今のことだったら現在形、 ・過去のことだったら過去形 を使えばいいだけのことです。ちなみに完了形や進行形は厳密には時制ではありません。相というのですが、それは置いといて、単に＜want＋to不定詞＞「～したい」や、＜enjoy＋-ing形＞「～するのを楽しむ」と同じように、＜have＋過去分詞＞「～したことがある」や、＜be＋現在分詞＞「～している」といったひとつの表現だと考えればOKです。 ということで、英語の時制は、現在形と過去形の２つ。 ひとつずつ、今のことか・過去のことか判断しながら時制を選べば、なんの問題もありません。 She says John will come. 「彼女が言っている」のは今のこと → 現在形says 「ジョンは来るだろう」というのは今思っていること [現在の推量] → 現在形will She said John would come. 「彼女が言った」のは過去のこと → 過去形said 「ジョンは来るだろう」というのは過去（彼女が発言した時点）に思ったこと [過去の推量] → 過去形would ご質問の文。 He will know I am lying. 「彼が知るだろう」というのは今思っていること [現在の推量] → 現在形will 「私が嘘をついている」のは今のこと → 現在形am ひとつずつ時制が判断できれば「時制の一致」なんてルールも必要ありません。 She said John was angry. 「彼女が言った」のは過去のこと → 過去形said 「ジョンが怒っていた」のは過去のこと → 過去形was 今ジョンが怒っていると、過去に断言することなんてできませんし、「言ったのが過去なら、言った内容も過去」なのは当然ですよね。この癖を引きずってしまって、言った内容自体が今のことでも、「言ったのが過去だから、言った内容も過去にしちゃった」現象が、唯一の例外で、これが本来「時制の一致」と呼ばれるべきものです。 She said John was tall. 「彼女が言った」のは過去のこと → 過去形said 「ジョンが背が高い」のは今でもあてはまることだけど、「言ったのが過去なら、言った内容も過去」という癖を引きずって → 過去形was このように時制全体をもっとシンプルに考えてみるといいと思います。 言語学習においては、その言語では世界（身の周り）で起きていることをどのように捉え、それをどのように言葉に反映させているのかを理解していくことが重要です。言語はルールでできているのではありません。文法は言語ができてから、それを人工的にルール化しただけなので、あてにならないこともよくあります。人工的なルールのなかで考えすぎてしまうと、ルールに則っていて論理的ではあるが、世界のことから離れた現実離れした文になってしまうことがあります。「時制を一致させなきゃ！」と考えてHe’ll know I’ll be lying.なんて文をつくってしまったらそれはルールに捉われすぎです。これでは「私がウソつくだろう」になってしまっていて、今ウソをついているという事実から離れてしまっています。ルールもいいですが、その文が表す「意味」も忘れないでください。 とにかく「時制の一致」というルールに捉われると混乱してしまうので、忘れてしまって結構です。 こういうときには時制の一致が行われて、こういうときには時制の一致が行われない、と覚えるだけ無駄です。ご質問のように、未来のことについて言うとき時制の一致は行われないのだろうかと気にする必要もないのです。 今のことなら現在形、過去のことなら過去形。未来のことについては推測するしかないので、推測したのが今なら現在形、推測したのが過去なら過去形。 そのうえでShe said John was tall.のように、「言ったのが過去だから、言った内容も過去にしちゃった」現象（本来「時制の一致」と呼ばれるもの）というのがあることを例外として押さえておけば大丈夫です。 すっきりしましたか？