インバータには3種類の出力波形があり,使える機器が異なるので,注意が必要です。
●サイン波=すべての機器に適用できます
●疑似サイン波=厳密な波形の定義ではないため、適用先も厳密に決められませんが、精密な計測器や特殊な医療機器以外では、ほとんどすべての機器に適用できます。回転駆動するモータのばあい、適用できないばあいもあります。一般にパソコンやテレビなどは適用できるばあいが多いようです。電動歯ブラシなどは、充電回路でサイン波を利用しているものがあり、作動できない(充電できない)ものがあります。携帯電話の充電器は、使えるようです。
●矩形波=確実に適用できるのは、熱発生型の機器です。回転駆動するモータなどには一般に適用できません。
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●電子レンジ
正弦波(サイン波)タイプのみ可能です。電力が高いので,十分,余裕があるインバータをお使いください。容量が小さいと,インバータが加熱したり,内部のフューズが切れて保護します。
●豆知識
じつは電力会社から供給される商用電源の交流も、厳密に言えば、きれいなサイン波ではありません。また電圧も接続機器数が増えると、簡単に変化してしまいます。このため、商用機器は、電源波形や電源電圧(実効電圧)にある程度の許容幅をもたせています。
疑似サイン波は、ちゃんとした定義がないのですが、一般に矩形波のゼロボルト(プラスでもマイナスでもないところ)でステイ(ある時間、ゼロボルトを保持)するような波形が多いようです。つまり電圧をオシロなどで観察すれば、上下に3段階あることになります。
矩形波や疑似サイン波を使うと、サージと呼ばれる雑音を生じることが多く、機器側でサージに対応が必要なばあいがあります。
ご参考になれば幸いです。