キリスト教/処女マリアについて
キリスト教/処女マリアについて 「処女」というのは誤訳であると聞いたことがありますが、「いや、そんなことはない」、「マリアは処女でありながら身ごもった」と思われる方、ご意見お聞かせ願えないでしょうか?
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ベストアンサー
現在は「若い女」と訳されている「アルマー」は、当時は間違いなくほぼ100%処女という意味を持っていました。聖書というのは、翻訳される過程においても一言一句を正確に伝えようと努力しております。 ですから、単に「若い女」という意味ならば、彼らは間違いなくギリシャ語でもそれに相当する単語を使っていたはずなのです。例えば、ヘブライ語では他に「ナアラー」、「ベツラー」という言葉があります。 「ナアラー」とは、若い女の子、少女をさす言葉で処女をさす場合にも使え、そうでない人にも使って良い言葉です。 「ベツラー」とは、年齢に関係なしに、独身でいる女性をさす言葉で処女をさす場合にも使え、そうでない人にも使って良い言葉です。 ですから聖書でこの2つの言葉が使われると、その意味が何であるかを詳しく説明しないと処女か処女でないかの区別が出来ないタイプの言葉です。 そして、当時100%処女をさす言葉として使われていたのが「アルマー」です。ギリシャ語でそれに相当する言葉として採用されたのが「parthenos(パルセノス)」という言葉です。 イザヤ書以外を見ると、この「パルセノス」という言葉は6回出てきますが、その6回の例は、すべて処女の女性をさしており、決して結婚した女性に使われる事はありません。 (創世記24:43、出エジ2:8、詩篇68:25、雅歌1:3、雅歌6:8、箴言30:18~20) この件に関しての権威であるWilliam Beck博士は自分の著書の中でこう述べています。 「私は聖書の中で、アルマーという単語が非処女、あるいは結婚した女性をあらわすものとして使われている箇所を徹底的に探した。しかし、そのような箇所はなかった。少なくとも聖書の中においては、アルマーという単語は、処女を意味するのだ(含意するのだ)。」 また、Robert Dick Wilson教授は、比類なきヘブル学者であり、聖書に関連する45の言語に精通する学者でありますが、彼はこう宣言しています。 「アルマーは若い結婚した女を意味する言葉ではない。そして、コモンローからの推測で言えば、アルマーは、特に注釈がなければ、純潔な女を意味する。」 また、最新の研究では考古学的にもアルマーはずばり処女を意味するということが証明されつつあります。 ★ イザヤ書 7章 14節 『それゆえ、主はみずから一つのしるしをあなたがたに与えられる。見よ、おとめがみごもって男の子を産む。その名はインマヌエルととなえられる。』 この箇所の文脈は、超自然的な神のしるしが起こる事を要求している文脈です。この「アルマー」という言葉が、若い女をさす訳ですから、そこから子供が生まれるとしたら2つの可能性しかありません。 (1) 結婚していないけれども姦通によって子供を身ごもり、そして産んでいる場合。 (2) 神が処女を用いて「しるし」として子供を誕生させるという可能性。 そして第1の可能性になると、これはとても「しるし」と呼べるようなものではなくなります。しかし第2の可能性になると、これはまさに神ご自身が為さる「しるし」であるという風に見えます。 もし処女が身ごもって子供を産むとしたら、まさにそれは超自然的な「しるし」と成り得るものです。神は、メシア誕生には超自然的な「しるし」を与えると言われたのですから、「アルマー(処女)」と解釈するのが最も自然でしょう。 -:+:-:+:-:+:-【補足】-:+:-:+:-:+:- >ルカ福音書を丁寧に読んでみなさい。 ルカの福音書の系図は、マリアの系図です。マリアはダビデの子孫ユダ族のヨアキム(エホヤキムの短縮形の名、別名エリ、またはヘリという名もあります)と、レビ族の祭司の娘アンナとの一人娘です。 ルカの記述した系図では、「ヨセフはヘリの子」という記述から始まっていますが、「ヘリはヨセフのしゅうと」であり、実際にはマリアの父です。ですから、この系図はイエスの母マリアのものです。 当時のユダヤの習慣では、系図に女性の名が記されることは特例でもない限り考えられませんでした。そこで女性の名を入れる代わりに、夫の名が記載されるということがありました。 また、ユダヤ教のタルムード、ゲマラではマリアの父がヘリであったと言います。
質問者からのお礼コメント
誤訳ではないのですね。 詳しく説明してくださり、分かりやすかったです。 皆様、回答どうもありがとうございました。
お礼日時:2010/12/5 10:36