「差別用語」ではないのですが、行政においては「不適切用語」として言い換えられる例が多くみられます。 「蒙」は「覆いかぶさる→暗い」が元の意味で、そこから「道理にくらい」「無知」「幼い」の意味が生じました。 「啓蒙」は「蒙をひらく」で、「無知で道理をわきまえない者に正しい知識や道筋を示し、教え導く」という意味です。 従来、お役所が各種の市民向けキャンペーンを「啓蒙事業」と呼んでいたのに対して 「無知な民を教え導くという発想が、お上意識丸出しで、市民を馬鹿にしている」との反発がありました。 そこで、現在、役所では「啓蒙」の代わりに「啓発」（知識をひらきおこし理解を深めること）を多用します。 モンゴル云々は後から作られた俗説に過ぎません。 「啓蒙してやる」と言われればムッとしますが、「誰々に啓蒙されました」というのは、立派な日本語です。 もちろん「啓蒙専制君主」「啓蒙主義」等の歴史用語は今でも立派に通用します。