共通鍵暗号と公開鍵暗号は組み合わせて使うのが基本です。 共通鍵暗号は、鍵の受け渡しや管理について面倒があります。 通信の相手ごとに鍵の交換が必要なわけですが、どんなに強力な暗号でも鍵が漏れたら無意味になります。 その代わり、計算負荷が軽いというメリットがあります。 一方の公開鍵暗号は、鍵の受け渡しや管理は非常に簡単です。暗号化用の鍵と復号用の鍵が分かれているので、「私にデータを渡すときはこの鍵で暗号化してください」と、公開鍵を広く公知にしてしまえばいいわけです。 その代わり、計算負荷がかなり重いというデメリットがあります。 そこで、通常は、まず「毎回乱数で鍵を生成し、その鍵を使った共通鍵暗号でデータを暗号化」し、そして「データの暗号化に使った鍵を、公開鍵暗号で暗号化し、それを暗号化データに添付して一緒に送る」といったことをします。 共通鍵暗号と公開鍵暗号を組み合わせることで、「公開鍵暗号の鍵管理が楽というメリット」と「共通鍵暗号の計算負荷が軽いというメリット」の両方を享受できるわけです。 追記:補足について 計算負荷は、暗号化処理するデータの量に比例します。 大量のデータを処理する場合は、計算負荷が重いということは、暗号化処理に時間がかかることであり、大きなデメリットになりますが、 少量のデータを処理する場合は、計算負荷が重くても、暗号化処理にかかる時間はたいしたことにはなりません。 上述の方式では、公開鍵暗号で暗号化しているのは「共通鍵暗号の鍵」という非常に小さなデータであるために、公開鍵暗号のデメリットがほとんど表に現れないのです。 http://www.atmarkit.co.jp/aig/02security/pgp.html http://www.atmarkit.co.jp/aig/06network/pgp.html